2021年8月30日、文化庁は2022年度(令和4年度)予算を決めるベースになる概算要求を提出した。このうちメディア芸術関連の要求金額を今年度10億4600万円から5000万円多い10億9600万円とした。
メディア芸術はマンガやアニメーション、ゲームなどのメディア芸術関連に向けたものとなる。これとは別に日本映画の創造・振興に12億7900万円(今年度12億2900万円)があり、メディアアートに関連深い現代アートは他の芸術関連予算がある。
アニメーション関連の事業はメディア芸術関連のほか、新進芸術家の海外研修、東アジア文化交流推進プロジェクト、日本映画製作支援、日本映画の海外発信、国際映画祭支援、芸術祭・芸術選奨などの一部にも含まれている。
メディア芸術関連は、「人材育成事業」「グローバル展開事業」「資料やデータ・作品のアーカイブを推進する連携基盤等整備推進事業」の3つに分けられる。
このうち人材育成では今年度より1000万円多い2億5600万円を要求。メディア芸術祭受賞作家を対象とした創作支援と若手アートディレクター育成の海外派遣プログラム、そしてアニメーション人材育成事業などが対象となる。アニメーター育成などを実施する「アニメーション人材育成調査研究事業」などだ。概算要求では来年度も事業継続を目指し、さらに拡充する1000万円はこのプログラムの部分になる。
ふたつのめのグローバル展開事業は、メディア芸術祭の運営と開催になる。公募と顕彰、受賞作品展だけでなく、海外フェスティバルでのメディア芸術祭活動、地方展の開催。運営も含む。
要求金額は前年より2000万円多い4億1300万円。拡充部分は海外事業でのプレゼンスキルの向上、ビジネスノウハウサポートのための講座設置としている。
連携基盤等整備推進事業も2000万円増額の4億2700万円を要求する。メディア芸術の作品・資料の収集・保存・活用に向けたネットワークの構築、メディア芸術データベースを充実・機能拡充する。
ここでの拡充分として散逸と劣化の危険が高い絵コンテやセル画といったアニメの中間制作物に対応する調査研究が挙げられた。また所蔵館などが実施する散逸・劣化の危険性が高い作品等の保存・活用支援として12件各500万円の支援を導入する予定としている。引き続きメディア芸術のアーカイブ事業のサポートを明確にする。