「名探偵コナン ゼロの執行人」中国興収20億円に迫る 日本映画歴代5位

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 国内ではシリーズ最大ヒットを放った劇場アニメ『名探偵コナン ゼロの執行人』が、中国でも人気になっている。2018年11月9日から『名侦探柯南:零的执行人』のタイトルにて中国全土で公開されたが、こちらもシリーズ過去最高のヒットになっている。
 公開最初の週末で興行収入8000万元(約18億円)を叩き出し、週末ランキング2位と快調なスタートを切った。2回目の週末を終えた18日には、累計興行収入は1億2000万元を超えた。日本円で20億円目前である。
 今年中国で公開された日本映画では、『ドラえもん のび太の宝島』に続く第2位。秋にヒットが伝えられた『万引き家族』を上回った。

『名探偵コナン』は、かねてより中国で人気の高いアニメ・マンガとして知られている。2009年に『漆黒の追跡者』が公開されるなど、これまでも早くから劇場上映をしてきた。
 しかし2016年の『名探偵コナン 純黒の悪夢』は興行収入が最終3112万元にとどまり伸び悩んだ。日本で2017年に公開された『名探偵コナン から紅の恋歌』は、結局中国で劇場公開されることはなかった。
 これが2018年になりいっきに仕切り直しとなった。全国7000スクリーン規模の上映を実現、上映も日本公開から半年と比較的短期間に収まった。こうした戦略がうまく回ったかたちだ。

 海外映画の公開期間が短い中国では、今後のさらなる興行収入の積み増しは限られる。それでも1億2000万元は、『君の名は。』、『STAND BY ME ドラえもん』などの3本の『ドラえもん』映画に続き、中国公開された日本映画で歴代5位になる。『ONE PIECE FILM GOLD』や『BORUTO ボルト -NARUTO THE MOVIE-』、実写版『銀魂』などのこれまでのヒット作を超える。
 日本、中国以外でも、韓国、台湾などアジア地域でのヒットが伝えられる。『名探偵コナン』のさらなる海外進出にも期待を感じさせるワールドワイドな人気となっている。

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