エンタテイント事業のブシロードは、8月13日に2021年6月期の通期連結決算を発表した。今期から期末を7月から6月に変更し11ヶ月決算となるため、通期での前年比は発表しない。
それでも通期売上高は11ヶ月で325億6900万円と12ヶ月の前年330億円とほぼ同水準、実質的には増収とみていいだろう。トレーディングカードゲーム(TCG)部門や製作委員会の配分収入などのあったメディア部門の伸びが大きかった。
一方、利益の確保では苦戦した。通期営業利益は前年の27億1000万円から3億44000万円に減少、経常利益も27億5500万円から5億8300万円に減少した。当期純損失は2億8400万円となり最終赤字に転落した。期中に子会社化したフロントウイングラボの1億4000万円 ののれんを減損として特別損失に計上したことも響いた。
売上のうち最大を占めたのがMOG部門で96億2800万円。主力アプリとして「D4DJ Groovy Mix」に力をいれたほか、新規の「アサルトリリィ Last Bullet」が好調だった。しかし「グリザイア クロノスリベリオン」と「アルゴナビス from BanGDream! AAside」が低調なこともあり、売上げは前年より少なく、収益性が低下した。
TCG部門は売上高88億9800万円と拡大した。「ヴァイスシュヴァルツ」が好調だった。物販販売のMD部門は29億4900万円で減少、音楽ライブの中止・延期や規模縮小で売上が減少した。メディア部門は24億7100万円と大きく伸びた。
またライブIP部門は厳しかった。売上高82億3000万円、営業損失1億1000万円。音楽ライブのリアルイベントは中止・延期、規模縮小、無観客開催などで収益性が低下した。プロレス興行も収容人数を限定して実施した。
21年7月からスタートした22年6月期は、強気の見通しを立てている。売上高は過去最高の367億円、営業利益と経常利益は各13億円、当期純利益を7億円とする。
コロナ後のエンタテイメントの回復を視野にいれ、グローバルでのビジネス拡大を目指す。