英国の老舗アニメ配給会社MANGAエンタテインメントUK(Manga Entertainment UK)は、2021年春からビジネスブランドを「ファニメーション(Funimation)」に変更することを発表した。同社は2019年5月に米国の同業大手ガニメーションに買収され、さらに現在はソニーグループ傘下のファニメーション・グローバルの傘下にあり、ソニーグループの日本アニメのグローバル展開の一翼を担っている。そのブランドに統一することになる。
MANGAエンタテインメントは、1987年に英国で設立された。『攻殻機動隊』など日本アニメの製作・配給で成長した英国を代表する日本アニメ企業である。長年、日本の日の丸をイメージするデザインに英語で書かれた「MANGA」と日本語で書かれた「漫画」のロゴでお馴染みだったが、それも30年余りの歴史と共に見納めになりそうだ。
MANGAエンタテインメントは、2000年代には北米にも進出したが、00年代後半の不況の影響を受けて2010年頃には事業を停止、2013年に撤退している。現在のビジネスエリアは英国とアイルランドとなっている。北米が中心ビジネスエリアであったファニメーションと地域の重なりが少なく、同じ英語圏であったこともファニメーションが買収した理由とみられる。
ファニメーショングループに加わった当初は映像ソフト発売・販売が主要なビジネスであったが、現在はこれに加えて、映像プラットフォームでの配信や劇場配給など幅広いビジネスを展開している。またこれまで自社が英国で権利を持っていたタイトルだけでなく、ファニメーションが英語圏で権利を持つタイトルも加わりラインナップも厚みが増している。『ドラゴンボール』や『進撃の巨人』、『僕のヒーローアカデミア』、『AKIRA』など人気タイトルが目白押しだ。今後は、グローバルでアニメビジネス展開を目指すソニーグループ、ファニメーション・グローバルの主要企業としてますます重要になりそうだ。