AICライツ、自社アニメの保有権利を東映エージエンシーに譲渡、業務提携へ

AICライツ

 『メガゾーン23』や『天地無用』、『バブルガムクライシス』といった80年代、90年代を彩ったOVAの傑作の権利ビジネスが大きく変わりそうだ。アニメ会社アニメインターナショナルカンパニー(旧AIC)の保有していた作品の権利を引き継いでいたAICライツは、2021年4月16日付で、東映エージエンシーと業務提携を締結した。
 この提携によりAICライツは、自社が保有するアニメ作品の著作権持分を東映エージエンシーに譲渡する。そのうえで各作品のライセンスを共同運用する。また新しい映像作品の製作・開発・運用進める。往年の人気作品のリメイクや新展開も今後進む可能性が高い。

 旧AICは1982年に設立され、当時急成長した映像ソフト向けのアニメ作品OVAを多く手がけて有力アニメスタジオのひとつになった。出世作となった『メガゾーン23』、テレビシリーズや劇場も人気の「天地無用」シリーズ、『冥王計画ゼオライマー』『THE八犬伝』『吸血姫美夕』といったコアファンから高い評価を受けた作品、BLアニメの傑作『間の楔』など代表作は数え切れない。しかし2000年代後半より経営母体がたびたび替わり、業績の悪化、スタッフの流出で勢いを失った。
 AICライツは2015年に会社分割のかたちで旧AICの各作品、権利を引き継ぐかたちで設立した。現在はアニメインターナショナルカンパニーと資本、人的関係はない。

 東映エージェンシーは、大手映画会社の東映グループのなかで代理店業務を担当している。「スーパー戦隊シリーズ」や『美少女戦士セーラームーン』などの番組企画・制作、さらにキャラクターやライセンス事業も扱う。
 アニメ権利活用のノウハウがなく大きな展開が出来なかったAICライツは、東映エージェンシーと組むことでアニメビジネスを一気に拡大が出来る。一方東映エージェンシーは、旧AICの持つ豊富なタイトルを活用できることが魅力だ。ライツ分野の展開を強化することが可能だ。
 しかし旧作の販売やキャラクター展開もあるが、本命はリメイクやリブート、新シリーズとみていいだろう。 世界的に日本アニメが注目されるなかで、優れたアイディア、原作として旧作アニメには関心が集まっている。過去のヒット作やカルト的な人気作品の再映像化も増えている。今後思わぬ作品が新たなかたちで登場するということもありそうだ。

AICライツ http://www.aic-r.com/
東映エージエンシー https://www.toeiad.co.jp/

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