映画業界の興行好調に牽引され、松竹の業績が上向いている。10月15日に発表された松竹の2020年2月期第2四半期の決算が増収増益となった。
連結売上高は502億7800万円(13.5%増)、営業利益33億2600万円(35.7%増)、経常利益31億7500万円(51.0%増)、当期純利益20億4700万円(50.5%増)。特に利益面での伸びが大きかった。 映像興行事業で当初の想定を上回る作品が多かった。2019年の劇場の盛り上がりが同社の業績にも影響を与えたかたちだ。
事業別では映画関連事業が、売上高290億7400万円(20.7%増)、営業利益が19億4500万円(337.3%増)と大幅な伸びだった。
歌舞伎などを中心にした演劇事業は売上高132億3500万円(6.2%増)、営業利益は3億8300万円(65.1%減)。売上は伸びたが、利益は減少となった。
不動産事業は賃貸部門で満室稼働が続き、安定している。売上高53億7400万円(2.8%増)、営業利益24億5300万円(6.4%増)の増収増益。
映画事業の配給は邦画8本、洋画1本、アニメは8本で、今期も大きな割劇場版 Free!-Road to the World-夢合を占める。アニメでは大ヒットになった『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム』、『えいがのおそ松さん』、『劇場版 Free!-Road to the World-夢』、『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』などが主力作品となった。
また海外向けの作品販売で劇場アニメ『「あした世界が終わるとしても』が欧米向けで好調だったとしている。本作は今年の夏のフランス・アヌシー国際アニメーション映画祭でオフィシャルコンペティション作品に選ばれている。