アニメ製作大手の東映アニメーションが、2021年4月1日付けで大規模な組織変更をする。製作本部では2Dの手描きアニメが中心の製作部とCGアニメが中心のデジタル映像本部を統合し、営業部では映像営業や版権事業、イベント事業、営業推進の各部署で国内国外の区分を取り払う。
制作技術でも、国境でもボーダーレスを目指すかたちで変化の早い時代のなかで、いち早く、他であまりみられない組織体制へ変革する。
これまでの製作部とデジタル映像部が統合され、新たな製作部に生まれ変わる。製作部の下に第一製作室、第二製作室、第三製作室、テクノロジー開発推進室、デジタル製作統合室、CG製作室、製作編成室の7つが置かれる。
今回の組織変更にあたっては、2Dと3Dの発展的融合による新たな製作フロー・映像表現の確立と組織力の強化を掲げている。2Dアニメの中にもCGが積極的に利用されるなど、近年の制作において2Dと3D区別が曖昧になっているのも理由とみていいだろう。
営業部門は映像企画本部のもとの企画部、映像事業部、版権事業部、イベント事業部、営業推進部の5つから構成される。
さらに映像事業部は映像営業室・映像管理室を、版権事業部は版権営業室・版権開発室・監修室を持つ。今回の特徴はこれまであったライセンス事業部海外営業室がなくなり、イベント事業部や営業推進部も含めて国内と国外の区分がなく、同じ部署で取り扱うことだ。
これとは別に海外との新たな映像づくりを担当していた海外映像企画室は、海外企画室に変更される。映像以外のIP企画・開発も目指すことになる。
またこれまで経営管理本部内にあった監査部を社長直轄部署に切り替える。近年高まる企業経営に対する監査機能の強化を狙ったものだ。