サウジアラビアのマンガプロダクションズと東映アニメーションが共同制作する長編劇場版アニメ『ジャーニー』が、2021年にグローバル公開することが明らかになった。2021年3月1日、オンラインにて開催が始まった第71回ベルリン国際映画祭と合わせて同作のトレイラーが公開された。YouTubeなどの動画配信プラットフォームのほか、中東で広く展開するシネコン「VOXシネマズ」のスクリーンでも上映されている。
さらに2021年5月から中東・北アフリカ地域のVOXシネマズで劇場公開される。6月からは日本でも東映系列の映画会社ティジョイで上映を予定する。制作だけでなく配給・興行でも日本と中東の連携が実現する。
『ジャーニー』はサウジアラビアの実力者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子が設立したミスク財団の子会社であるマンガプロダクションズが取り組んでいる。ゲームやアニメ、マンガなどポップカルチャービジネスが事業の中核だ。同国の次世代の産業のひとつとしてクリエティブ産業を育成・振興したいとするムハンマド皇太子の肝いりのプロジェクトである。
その実現のために日本のコンテンツ企業とのパートナーシップを重視し、東京に支社を構えるほどだ。サウジアラビア初の長編アニメとなる『ジャーニー』は、その中でも目玉プロジェクトと言える存在である。
作品は古代アラビアの歴史とカルチャーを題材にとっており、監督は『名探偵コナン から紅の恋歌』や『GODZILLA 怪獣惑星』などでお馴染みの静野孔文が務めた。
また今回は日本語版の豪華な声優陣も明らかにされている。『機動戦士ガンダム』アムロ役などの古谷徹、『美少女戦士セーラームーン』うさぎ役などの三石琴乃。さらに神谷浩史、中村悠一、中井和哉、黒田崇矢と、それぞれが主役クラスの大物だ。作品にかける意気込みの大きさを感じさせるのに十分だ。中東で劇場配給をするVOXシネマズは、湾岸地域を中心に中東・北アフリカの50カ所に514のスクリーンを持つ大手チェーンである。
公開された予告編からはアクションたっぷりのスペクタクルな作品であることが窺える。また絵柄には日本アニメスタイルが採用されており、本作が中東でどのように受入れらるか注目される。
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