徳間記念アニメーション文化財団は、2021年も「アニメーション文化調査研究活動助成制度」を実施する。アニメーション文化の調査研究に取り組む若手研究者育成と研究活動のサポートを目的に毎年行っているものだ。
徳間記念アニメーション文化財団は「三鷹の森ジブリ美術館」の運営で知られるが、美術館での活動と合わせてアニメーション文化の調査・研究や資料の収集・保存もしている。調査研究活動助成は、そうした活動のひとつである。
財団は2021年の助成対象研究活動と研究者の募集をこのほど開始した。〆切りは2021年1月31日(必着)である。
若手研究者育成を目的として掲げるが、募集対象者の年齢は特に定められていない。一方で大学院修士もしくは博士課程の在籍者・進学予定者、大学・研究機関・教育機関・博物館・図書館で調査研究活動に従事する職員などを対象とする。実際に学術研究に携わるか、それを目指す者に向けている。アカデミックな研究水準を満すことが求められると考えてよいだろう。また国籍や居住地は問わないが、調査研究・申請は日本語で行わなければならない。
対象とする研究領域は、アニメーションの理論・歴史、アニメーション制作方法と技術、さらにこれらの趣旨に寄与する研究している。これまでは毎年0本から3本の研究が選ばれてきたが、助成対象となった研究テーマは幅広い。
「学研アニメーションの特徴と教育界に果たした役割に関する考察」「アニメ翻訳の問題点と方法論」「戦後日本における自主制作アニメ黎明期の歴史的掌握」「アニメーション作画における習得プロセス―認知過程に注目して」といったものがある。多岐にわたる研究分野からは、助成制度がアニメーション研究の発展に大きな貢献をしてきたことがわかる。
2020年度は、照井敬生氏による「イギリスにおけるアニメーション産業史の再検討:政策支援とエコシステムに着目して」が選ばれている。また今年は2019年度に選出された萱間隆氏/たつざわさとし氏による「日本漫画映画株式会社の実態解明」の研究活動が終了、成果報告が提出されている。
応募された計画書は選考委員会で審査選考をし、助成額も決定する。助成対象となると1研究計画あたり 最大50 万円が支払われる。また2022年3月31日までに調査研究が完了し、成果を取りまとめる必要がある。
若手研究者にとっては助成金もありがたいが、他のメリットも大きい。研究にあたっては審査や中間報告にあたって財団のアドバイスを受けることが出来る。また研究成果が財団の年報他で発表できることも大きな利点だ。
「アニメーションに関する調査研究活動をサポートします」
https://www.ghibli-museum.jp/news/013396/