バンダイナムコホールディングス(バンダイナムコHD)の業績が、新型コロナ禍の環境で堅調を維持している。11月6日発表の21年3月期第2四半期決算は減収減益となったが、今年4月から9月までの新型コロナ感染症の自粛期間に大きく被った時期にも関わらず減少は小幅にとどまった。
第2四半期までの連結売上高は3371億2200万円で3.5%の減少、また営業利益は459億3000万円(4.2%減)、経常利益は471億9300万円(3.2%減)、当期純利益は317億1500万円(8.4%減)である。ライブイベントの開催中止や作品制作の遅れ、パッケージ発売延期があった映像音楽プロデュースが厳しかったが、ネットワークエンターテインメントが好調で大きな落ち込みを逃れた。
発表はバンダイナムコHDが8月に公表した連結業績予想を上回るものだ。売上高は予想よりも7%大きく、利益面では50%以上を上回っている。トイホビー事業で「ガンダム」シリーズのプラモデルとコレクターズフィギュア、ハイターゲット層商品が好調だった。またアプリゲームや家庭用ゲームのリピート販売も牽引した。
予想を上回る水準であったが、現時点での業績予想の修正は行わない。新型コロナウイルス感染拡大の影響が、依然不透明なためである。
上半期に新型コロナの影響が最も大きかったのが、バンダイナムコアーツなどの映像音楽プロデュース事業である。売上高は110億9100万円(46.6%減)、営業利益は8億2600万円(78.5%減)だった。減収減益だが、黒字は維持している。主要タイトルは「ラブライブ!」シリーズ、「アイドルマスター」シリーズである。ライブイベント開催が前期の397回か67回になったのが大きい。
サンライズなどアニメビジネスの大きなIPクリエイション事業は、増収減益だ。売上高は95億5900万円(21.8%増)、営業利益は19億1400万円(15.1%減)となった。今期より創通の売上が加わったことで売上が増えている。「ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズが主力タイトルである。
アミューズメンソ施設を運営するリアルエンターテインメント事業も打撃が大きかった。売上高は243億2000万円(48.0%減)と大幅な減少で、営業損失80億2200万円に転じた。
トイホビー事業の売上高は1288億5800万円(0.6%増)、営業利益188億900万円(6.7%増)。休業したアミューズメント施設での展開商品、ヨーロッパの小売店休業の影響はあったが、ガンダム」シリーズや「仮面ライダー」シリーズの好調とハイターゲット層向け商品で補っている。
ネットワークエンターテインメント事業の売上高は1702億7300万円(11.3%増)、営業利益が347億2600万円(39.1%増)となった。「DRAGON BALL」シリーズや「ワンピース」のゲームがグローバルで、国内のでは「アイドルマスター」シリーズが好調だった。