映画会社大手・東映のデジタル映像の技術開発や活用を担っているのが、都内大泉学園にあるツークン研究所だ。なかでもモーションキャプチャやフェイシャルキャプチャを得意としている。
その技術は映画『銀魂』やスーパー戦隊シリーズ、ゲームソフト『FINAL FANTASY XV』などで活用されている。VFXやアニメ、ゲームと様々なジャンルでよりリアルな映像と動きに挑戦している。
さらにリアルな映像を実現するべくツークン研究所は、このほど新たなプロジェクトに乗り出した。CGでよりリアルな人間を生成するデジタルヒューマンに本格的に取り組む。所内に専門の研究チームを立ち上げる。
またプロジェクトを遂行する設備として、米国の南カリフォルニア大学ICT(USC Institute for Creative Technologies)が開発したLightStage(ライトステージ)の最新版の導入も明らかにした。
ライトステージは、CGの画像合成の際に、対象物への光の具合や方向を細かく調整することを可能にする。天球状に設置された多数の照明をコントロールしながらスキャンし、人物の顔を形状だけでなく、質感までも高精細にする。デジタルヒューマンの中でも、とりわけ難易度が高いとする。
モーションキャプチャやフェイシャルキャプチャによる動きのリアル感に加えて、ビジュアルでもより高度な表現を目指すことになる。デジタルヒューマンの実現で、国内のCG、VFX分野で抜け出し、さらに世界も目指すことになりそうだ。
ライトステージの導入は、2018年11月末~12月上旬を予定している。ツークン研究所は、導入後3年を目途にデジタルヒューマン研究での成果をあげたいとしている。
ツークン研究所 http://www.zukun-lab.com