サンリオは2020年11月5日に、セガサミーホールディングス(セガサミーHD)より自社株式339万1700株を東京証券取引所の立会外取引によって取得した。取得分は発行済株式数の4.04%にあたる。取得価額は約60億円だ。
今回の自己株式取得は、サンリオの主要株主であるセガサミーHDから保有株式の一部売却の意向が伝えられたためである。セガサミーHDは、前日4日にも351万株、発行済株式の4.18%を取引時間内に売却していた。両日で合わせて発行済株式の8%以上が放出されたことになる。
サンリオの自己株式取得の取締役会決議は11月4日、セガサミーホールディングスからの連絡を受け、急きょ自社で売却予定株式の一部を自社で買い取ったとみられる。サンリオは株式取得の理由を、資本効率の向上や機動的な資本政策を可能とするためとしている。
セガサミーHDは2日間で発行済株式の8%以上を手放したことで、持株比率は直近の11.27%から3%前後に下がったとみられる。サンリオとの資本面での関係は薄くなる。
持株比率11%程度はサンリオの筆頭株主ではあるが、経営支配権はなく、連携事業も少なかったことが売却の理由だろう。今回は非事業資産とすることで、資本の効率化を図る。
新型コロナ禍といった外部的な要因も大きい。セガサミーHDの主要事業である遊興関連、リゾート、さらにアミューズメント施設関連は、コロナ禍の自粛で事業の影響が大きかった。11月6日に発表された第2四半期決算は連結売上高が1102億2500万円と33.4%減、最終損失が217億1600万円の赤字であった。セガサミーHDはこの他にアミューズメント施設の企画・運営のセガ エンタテインメントの株式85.1%をGENDAに譲渡金額は非公表ながら売却している。新型コロナの影響が依然不透明ななかで、手元資金を厚めにして乗り切りを目指す。