遊技機企画開発・販売のフィールズが、事業体制の大きな改革をする。2022年3月22日、フィールズは、会社分割をすることで2022年10月に持株会社体制に移行する方針を明らかにした。
持株会社名を「円谷フィールズホールディングス」として、その傘下に円谷プロダクション、デジタル・フロンティア、フィールズ、パチンコ・スロット関連のPS事業会社、その他のグループ会社を置く。新たな社名の頭に「円谷」を置くなど、コンテンツ事業を全面に押し出すのが特徴になっている。フィールズが今後、コンテンツ・デジタル分野で成長を目指す姿勢が窺われる。
フィールズは遊技機事業の大手として知られるが、「エヴァンゲリオン」シリーズの機器を得意とするなどコンテンツ業界とも関わりが深い。遊技機市場の長期的な縮小を見越して、かねてよりコンテンツ・IPに力をいれてきた。
近年は遊技機市場の低調で業績も厳しかったが、今期の業績は急回復している。業績回復の柱となったのが円谷プロダクションである。今期は期末の営業利益32億4000万円、純利益23億7000万円を予想するが、このうち円谷プロダクションの営業利益は12億5000万円、純利益は9億2000万円といずれも4割近くとなる。同社のロイヤリティ収入は国内外で伸びており、前年対比で約 3 倍にもなる。
円谷プロダクションは、『ウルトラマン』など数々の人気特撮番組の権利を保有している。近年は実写テレビ番組、映画、アニメ、キャラクターなど多方面の活用が進んでいる。フィールズは2010 年に同社をグループ会社とした。
さらに国内最大規模の CG・VFX映像会社デジタル・フロンティアも子会社化している。これらを武器に事業成長を目指すことになる。