東映がパッケージ事業をスピンオフ、東映ビデオが吸収  

DVD/Blu-ray

 大手映画会社の東映は自社事業のうち、DVDやBlu-rayなどの企画・販売をするパッケージ事業を2024年4月1日で切り離すことを明らかにした。切り離したパッケージ事業は、同日付で東映ビデオが承継し吸収する。
 東映ビデオは東映グループのビデオパッケージ事業会社で、グループのパッケージ事業を広く取り扱ってきた。今回はグループ内で重複して事業分野をひとつにとりまとめ再編する。

 東映ビデオは1972年設立で、国内のビデオ会社のなかでも古い歴史を持つ。株式の37%、東映ラボ・テックが25%、東映アニメーションが24.6%保有する。
 映画、特撮、アニメ、ドラマなど幅広いDVD、Blu-rayのラインナップを誇る。東映VシネマシリーズやVアニメシリーズも展開していた。現在は、「仮面ライダー」シリーズ、「スーパー戦隊」シリーズなどを得意とする。アニメでも『THE FIRST SLAM DUNK』、『ONE PIECE FILM RED』、『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』などヒット作は多い。

 2023年3月期の売上高は52億円、営業損失が8300万円、経常利益は1億5700万円だった。東映から切り離されるパッケージ事業は前期売上高で40億6600万円、営業利益は3億6100万円になる。今回の再編で東映ビデオの売上高は倍近くになる。対外的にも会社の存在感が増しそうだ。
 東映は分割するパッケージ事業の価値を約2億6000万円と算出し、対価として東映ビデオより同社の株式642株を受け取る。
 東映はふたつの会社の経営資源を集約することで、経営効率を向上し、事業のさらなる発展を目指すとしている。

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