アニメ制作の旧アームスが事業清算、東京商工リサーチが報道

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 「一騎当千」シリーズや『エルフェンリート』などの人気アニメを数多く制作してきたアニメーション制作の株式会社コモンセンス(旧・有限会社アームス)が、事業清算を進めていることが明らかになった。2020年8月4日に企業信用情報の東京商工リサーチが伝えている。
 東京商工リサーチによれば、コモンセンスは5月31日に開催した株主総会で解散を決議、7月22日に東京地方裁判所から特別清算開始決定を受けた。現在は負債総額を調査中で、資産整理と共に事業を閉じることになる。

 コモンセンスは1996年にアームスとして設立された。2017年に事業縮小を実施した際に、現在の商号に変更した。しかし社名変更後もスタジオブランドのアームスを使い続けたこともあり、アニメ業界関係者やファンの間ではアームスの名前でお馴染みだ。
 企業規模は中堅で、製作委員会から作品全体の制作受注をする元請けのほか、他社元請けスタジオから話数単位での受注をするグロス請けの双方を主としてきた。元請け作品ではヤングアダルト向けのセクシー路線を得意として、18歳以上向けの成人アダルト作品も多く手がけた。グロス請けでは、スタジオぴえろが制作する作品に多く参加している。「NARUTO -ナルト-」シリーズや「BLEACH」などである。

 経営的には2017年頃より業績の悪化が伝えられるようになっていた。そのタイミングでアニメーション制作スタジオ機能の縮小を実施、社名変更もした。しかし今回は会社を清算することで、およそ24年の歴史を閉じる決断をした。

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