I.Gが米国CATVと新作シリーズ、アニメ版「ブレードランナー」は2021年公開


 米国のケーブルテレビ局Adult Swimが、日本と協業するアニメ作品の最新情報を相次いで発表した。2020年7月23日から25日まで「Adult Swim Con」とタイトルしたオンラインイベントを開催、この目玉作品に日本との共同プロジェクトを並べた。
 Adult Swimと兄弟チャンネルのカートゥーンネットワークは、2000年代初めに日本アニメを積極的に放送していた。その後日本アニメから離れていたが、近年再び力を入れ始めている。
 
 まずは大きな新作の発表である。『Fena: Pirate Princess』とタイトルされた作品で、日本のプロダクション I.Gがアニメーション制作をする。監督は中澤一登が務める。孤児の少女フェナが海賊になって秘められた謎を解き明かす冒険たっぷりになる。
 製作にはAdult Swimのほか、アニメ配信プラットフォームのクランチロールの制作部門クランチロール・プロダクションも加わる。全12話シリーズがAdult Swimのアニメ枠「Toonami」で放送されるほか、クランチロールでも配信する予定だ。Adult Swimはワーナー メディアグループのケーブル放送局で、クランチロールも同じグループ会社である。

 Adult Swimとクランチロールは、すでにSF映画『ブレードランナー』のアニメシリーズ『BLADE RUNNER – BLACK LOTUS』の共同製作も発表している。今後もグループ内での連携をさらに深める方向のようだ。
 2018年秋に発表されていた本作の新情報もあった。監督を務める神山健治、荒牧伸志のビデオインタビューにて、『BLADE RUNNER – BLACK LOTUS』の放送が2021年になると明らかにされた。両監督は、『攻殻機動隊 SAC_2045』第1シーズン、第2シーズン、『ULTRAMAN』第1シーズン、第2シーズンも担当しており、『ブレードランナー』の制作・公開がいつになるか関心を呼んでいただけにファンには朗報だろう。アニメーション制作のプロダクション I.G、SOLAデジタルアーツは『攻殻機動隊 SAC_2045』、『ULTRAMAN』と同様で、こちらは2018年に発表済である。

 Adult Swimのアニメプロジェクトの多くで、日本側でキープレイヤーとなっているのがプロダクション I.Gだ。『Fena: Pirate Princess』、『BLADE RUNNER – BLACK LOTUS』のほか、最近は『フリクリ オルタナ/プログレ』をAdult Swimと共同製作している。
 さらにAdult Swimがアニメ化するマンガ家・伊藤潤二の『うずまき』でも製作協力で参加する。ただし今回の発表では当初2020年の放送を予定していたが、制作の遅れから2021年に延期となった。監督は長濱博史を起用している。

 さらにもう一作品、日本のスタジオが作る新作が発表された。8分ほどのショートアニメ『リック・アンド・モーティー vs.ジェノサイダー(Rick and Morty vs. Genocider)』である。
アダルトスイムの人気SFコメディを日本のテレコム・アニメーションとSOLA・エンタテインメントが特別編として制作している。監督・脚本・原画を『神の塔』の佐野隆史が担当した。

Adult Swimの関連作品ビデオ・アーカイブ
https://www.adultswim.com/presents/con/toonami-archive/

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