TVアニメ「ブレードランナー」神山健治・荒牧伸志監督 クランチロールらが製作

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 SF映画『ブレードランナー』の世界観が新たにテレビアニメシリーズで語られることになった。しかもそれを創り出すのは、日本のアニメーション制作とスタッフだ。
 日本アニメの世界配信の大手クランチロール(Crunchyroll)は、カートゥーンネットワークの大人向けチャンネルAdult Swim、映画製作のアルコン・エンターテインメント(Alcon Entertainment)と共にテレビアニメシリーズ『BLADE RUNNER – BLACK LOTUS』を製作すると発表した。アニメーション制作は日本のSOLA DIGITAL ARTSが担当。全13話からなる第1シーズンの監督には神山健治・荒牧伸志の両氏が起用される。さらに渡辺信一郎氏がクリエイティブプロデューサーとなる。
 公開時期は未定だが、Adult Swimの「Toonami」枠で英語版にて放送。さらにクランチロールでも世界配信をする。アニメーションの有力放送局と配信プラットフォームが手を組む。

 クランチロールは2006年に米国でファンベースにてスタートした配信サイト。2008年に配信プラットフォームとして法人化した。日本アニメの海外配信に特化することで急成長してきた。2018年夏にクランチロールを運営するイレーション(Ellation)の親会社Otter Mediaが、ワーナーメディアの一部門となっている。
 近年は日本アニメの配信だけでなく、アニメ商品開発やイベント事業など多角化を進めている。そのひとつとしてオリジナルのアニメ製作も開始した。今年秋にはカリフォルニア州バーバンクと東京に自社制作スタジオを設立したこともニュースになった。『BLADE RUNNER – BLACK LOTUS』は自社スタジオの制作ではないが、自社オリジナルの作品を持つ流れのひとつとみられる。

 またAdult Swimは、米国の大手アニメーション局カートゥーンネットワークの深夜帯で別チャンネルとして運営されてきた。日本アニメを多く放送することで知られており、『カウボーイビバップ』、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の人気の火付け役でもある。
 近年はクランチロールが米国ライセンスを持つ『モブサイコ100』でも同社とビジネスをした。さらにチャンネルを運営するターナーは、クランチロールと同様ワーナーメディアのグループ。この夏に誕生した新しい枠組みも、企画の推進に大きな役割を果たしていそうだ。

 1982年にフィリップ・K・ディックのSF小説を原作に製作・公開された『ブレードランナー』は、カルト的な人気を集め長年SF映画の傑作とされてきた。2017年に続編『ブレードランナー 2049』がワーナー・ブラザースの配給で世界公開され話題を呼んだ。
 今回テレビアニメ版にも参加するアルコン・エンターテインメントが、映画製作をしている。アルコンは『ザ・ウォーカー』『トランセンデンス』などを製作してきた。

『ブレードランナー 2049』では、公開に合わせてスピンオフのショートアニメ『ブレードランナー ブラックアウト2022』が渡辺信一郎監督、日本のスタッフによって制作され話題を呼んだ。これが今回の企画につながったとみられる。
『BLADE RUNNER – BLACK LOTUS』を制作するSOLA DIGITAL ARTSは、荒牧伸志監督、プロデューサーのジョセフ・チョウ氏が2010年に設立したCGスタジオ。モーションキャプチャを駆使したアニメーション映像に定評がある。『アップルシード アルファ』や『スターシップ・トゥルーパーズ:インベイジョン』の代表作があり、『ブレードランナー ブラックアウト2022』にも参加した。
 神山健治・荒牧伸志の共同監督では、Netflixオリジナルタイトルの『ULTRAMAN』の2019年4月配信開始が決定している。さらに同じ制作の枠組みで『攻殻機動隊』の新シリーズの製作発表もされている。矢継ぎ早に大型タイトルを手がけることになる。

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