TVer利用者拡大続く 3月再生数過去最高、アクティブユーザー1千万突破

TVer

 在京民放5社のテレビ番組配信をする「TVer (ティーバー)」の利用が急拡大している。運営会社のプレゼントキャストは、2020年3月のTVerの動画再生回数が過去最高を更新したことを明らかにした。動画再生数は9694万回で、月間1億回を窺う勢いとなっている。
 また実際にサイトに訪れてサービスを利用した人数を示すMAUは1004万人となった。初めて1000万人の大台越えである。さらにスマートフォンやタブレット、テレビ向けのアプリの累計ダウンロード数も2500万件を超えている。
 利用の拡大は、「TVer」の認知率の向上に負うところ大きい。TVer/がマクロミルを通じて行った調査では、全国15~69歳男女の認知率は過去最高の56.9%。ティーン世代の認知率が上昇している。

 TVer は日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビの在京民放5社が、テレビ放送番組を後からキャッチアップ出来るように配信する民放公式テレビポータルである。次回エピソード放送までの約7日間、無料で最新の番組が視聴出来る。2015年10月にサービスを開始した。
 国内IT企業や外資系企業が急激に勢力を広げる動画配信市場で、テレビ局が中心となったサービスを提供するとの狙いがある。局を超えて人気番組、有力番組が揃うことから短期間で利用が拡大している。

 なかでもTVerが得意とするのは、外資系企業などがあまり得意としない国内ドラマである。逆に国内テレビ局の強みでもあり、サービス利用を牽引する有力コンテンツとなっている。
 TVer は今回「2019年度番組再⽣数ランキングトップ10」も発表したが、1位はTBSテレビのドラマ『恋はつづくよどこまでも』だった。さらに『凪のお暇』、『グランメゾン東京』、『俺の話は⻑い』など上位10番組のうち5位テレビ朝⽇『ロンドンハーツ』を除く9つをドラマが占めた。

 配信番組数は現在約300にまで拡充している。アニメについては必ずしも数は多くないが、『ワンピース』、『ポケットモンスター』、『ヒーリングっど♡プリキュア』、『名探偵コナン』など人気作品が揃う。さらに『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』や『波よ聞いてくれ』など一部深夜番組もある。
 TVerの視聴は広告付きではあるが、無料となっている。認知度の向上と作品ラインナップの拡充が進めば、今後はアニメファンの視聴が伸びる可能性もありそうだ。

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