TVer、第三者割当増資で在阪5放送局が新たに株主に

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 地上波テレビ番組の見逃し配信を無料で提供する映像プラットフォーム「TVer」を運営する株式会社TVerに、関西拠点の5つの放送局が株主に加わることになった。2021年6月23日、TVerは第三者割当による増資を決定、引受先をMBSメディアホールディングス、朝日放送テレビ、関西テレビ放送、讀賣テレビ放送、テレビ大阪の5社とする。
 引受先の5社は、いずれも大阪に本社を持つ。自局でのテレビ番組制作も多く、現在も「TVer」を通じて番組配信をしている。TVerでは在阪民放5社の資本参加でさらに連携を強化し、サービスの拡張と成長を加速させるとしている。

 日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビの在京民放5社が運営するテレビ番組の動画配信プラットフォームとして、2015年に無料配信をスタートした。直近でテレビ放送された番組の見逃し配信が中心となっている。現在はレギュラー番組を約350が常時ラインナップされている。
 多くの局はこれとは別に独自の配信サービスも運用するが、ワンストップで様々な番組を見られることから急速にユーザーを増やしている。2021年4月にはアプリのダウンロード数は3500万を超えている。月間再生数は、2021年3月で約1億8300万回、シーズンで再生数1000万回を越える番組も少なくない。
 
 現在の株主は在京5局と電通グループ、博報堂DYメディアパートナーズ、ADKマーケティング・ソリューションズ、東急エージェンシーの広告代理店4社だ。第三者割当増資後は、在京5局が出資比率16.4%で均等に並ぶ。MBS、朝日放送、関西テレビ、讀賣テレビは各1.8%、テレビ大阪1%の株式保有をする予定だ。

 昨今は定額課金見放題動画配信の急成長と、ビジネスでの存在感拡大が指摘されることが増えている。放送局の地盤沈下の可能性もしばしば言及される。そのなかで成長を続ける「TVer」は切札となりそうだ。
 またかつてドラマ中心のラインナップが組まれていたが、現在はアニメやバラエティなどのジャンルの多様化も進んでいる。2021年4月期はアニメ番組では、『美少年探偵団』、『Vivy -Fluorite Eye’s Song-』、『シャドーハウス』、『MARS RED』、『東京卍リベンジャーズ』、『SSSS.DYNAZENON』、『バクテン!!』、セスタス -The Roman Fighter-』、『聖女の魔力は万能です』、『トロピカル~ジュ!プリキュア』、『デジモンアドベンチャー』、『ワンピース』、『ちびまる子ちゃん』、『名探偵コナン』、『新幹線変形ロボ シンカリオン Z』などを含めて約30番組が配信されている。

TVer  https://tver.jp/

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