フジテレビ広告付き番組配信が月間1億再生、民放過去最高

配信

 テレビ番組の視聴者習慣が大きく変化するなかで、民放各局はテレビ放送だけでなく、自局番組の配信にも力を注ぐようになっている。そうしたなかでフジテレビは2024年7月期(7月1日~31日)の広告付き配信(AVOD)で、月間1億再生の大台を超えたことを明らかにした。民放で月間再生数が1億回を超えたのは初になる。
 再生数は、放送各局が無料で見逃し配信を提供するTVerとフジテレビの自社配信プラットフォームFODでの無料配信を合算したものだ。定額課金見放題や都度課金などは除かれる。
 これまでの最高は2023年12月度の9568万再生で、これを7ヵ月ぶりに塗り替えた。また月間の視聴人数も1608万人、月間視聴時間は5079万時間とそれぞれ過去最高記録を更新した。

 好調な視聴数は、人気ドラマやバラエティー番組に支えられている。月9の『海のはじまり』が民放ドラマで1位となったほか、30年以上の歴史で初めて配信をした『FNS27時間テレビ 日本一たのしい学園祭!』が注目された。
 アーカイブ作品では「古畑任三郎」シリーズ、『HERO』、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-THE THIRD SEASON』が人気だった。過去のライブラリーの活用も進んでいる。

 フジテレビの配信好調は有料サービスでも顕著だ。自社運営の動画配信サービスの有料会員が、2024年8月に150万人を初めて超えた。
 得意とするドラマの充実に加えて、マンガや雑誌の読み放題なども扱うなどサービスが拡大した。さらにAmazon Prime Video利用者向けの「FODチャンネル for Prime Video」、全国のケーブルテレビ局での契約開始などが会員増につながった。
 配信の普及がますます進む中で、放送局の在り方がいま問われている。しかし、フジテレビのFOBだけでなく、日本テレビのHulu、TBSのU-NEXT、テレビ朝日のTELASAやAbemaTVと首都圏キー局の配信サービスは着実に成長を続ける。放送と配信を競合とするのでなく、配信ビジネスを自社ビジネスのなかに積極的に取りいれつつある。

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. AnimeJapan2024
    ■凝った企業ブースが脱コロナ禍を演出  2024年3月23日から26日まで、東京都内で日本アニ…
  2. 第2回国際アニメーション映画祭
     新潟国際アニメーション映画祭が、2024年3月15日から20日までの6日間、新潟市内各所の会場で開…
  3. クランチロールアワード
     日本アニメ配信プラットフォームで世界最大規模のクランチロールが主催する「クランチロール・アニメアワ…
ページ上部へ戻る