松竹「曇天に笑う」など不調 第3四半期減収減益で業績下方修正

ファイナンス決算

 2019年1月11日に発表された松竹の2019年2月期第2四半期の決算は、前年同期比で減収減益となった。実写映画のヒットの不足が影響した。
 通期連結売上高は669億3700万江(5.6%減)、営業利益は28億9600万円(46.1%減)、経常利益は23億5500万円(50.1%減)、当期純利益は14億3700万円(51.7%減)である。利益面では映画関連事業が赤字に転落、演劇事業が大きく伸びているが全体をカバーできなかった。

 映像関連事業の売上高は350億2800万円(13.5%減)、前年同期は28億円あった利益は600万円の損失に転じた。
 配給では2018年6月公開の『空飛ぶタイヤ』はヒットになった。しかし『曇天に笑う』『パーフェクトワールド 君といる奇跡』『旅猫リポート』が当初の期待を大きく下回ったとしている。一方テレビ制作、映像ソフト、テレビ放映権販売、CS放送事業は堅調だった。

 演劇事業は好調だった。話題作が並んだ歌舞伎座、新作歌舞伎『NARUTO-ナルト-」のヒットもあった新橋演舞場などが牽引をした。期間中の売上高は199億4000万円(10.4%増)、営業利益は15億9000円(73.3%増)。
 不動産事業は売上高78億8700万円(1.9%増)、営業利益は34億7900万円(1.3%増)と安定している。各ビルの稼働率が高水準で推移している。
 その他事業では「機動戦士ガンダム」シリーズ、『銀魂2 掟は破るためにこそある』の劇場プログラムの好調、「宇宙戦艦ヤマト2202」シリーズなどアニメ関連のキャラクター商品の好調に触れられている。売上高は40億8000万円(11.5%減)、営業利益2億7700万円である。

 また松竹は第3四半期までの業績が弱含んだことから、通期業績予想の下方修正を明らかにしている。映像関連事業の不調を理由に挙げている。
 通期連結売上高は956億円から909億円に、営業利益は56億6000万円から38億3000万円に、経常利益は50億円から32億7000万円に、当期純利益は32億1000万円から19億5000万円に引き上げられた。

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