松竹は2017年2月期第2四半期の業績予想を引き上げた。映画事業が堅調なのが理由だ。今年2月の段階で発表していた連結売上高を474億5000万円から478億1000万円に変更したほか、利益予想を大きく引き上げた。新しい見通しでは、営業利益は29億3000万円から41億6000万円に、経常利益は24億4000万円から37億1000万円に、四半期純利益は14億6000万円から23億2000万円となる。
上半期は、松竹が製作と配給を行った『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』が興行収入20億円を超えるヒットとなった。『植物図鑑』は、『図書館戦争』で知られる有川浩の小説をEXILE三代目J Soul Brothersの岩田剛典と高畑充希を主演に映画化。6月4日に全国公開した。
映画興行では、当初の予想を上回る成績を挙げた作品が多かったとしている。春の『ズートピア』に続き、夏の映画興業の盛り上がりが業績につながったかたちだ。
一方で下期映像関連事業は不透明とし、業績見通しの変更は見送った。9月以降は、配給作品から劇場アニメ『聲の形』のかたちがヒットになっている。こちらが業績にどう反映するかが、今後注目される。
松竹は近年、アニメに力を入れている。下期には映画『甲鉄城のカバネリ総集編 {前編・後篇}』、イベント上映の『ゼーガペインADP』、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅳ 運命の前夜』、『黒子のバスケ ウインターカップ総集編 ~扉の向こう~』、『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第一章』と続く。さらに来春に『劇場版 黒子のバスケ LAST GAME』も全国公開と、アニメジャンルでもその動きが注視される。