朝日放送コンテンツ事業1Qは堅調な成長、アニメグッズのゼロジーアクト完全子会社化

ファイナンス決算

 コンテンツ事業への積極投資を続ける朝日放送グループホールディングス(朝日放送HD)のコンテンツ事業が拡大している。2002年8月8日に朝日放送HDは、2023年3月期第1四半期の決算を発表した。グループ全体では減収赤字と厳しかったが、コンテンツ事業の成長が続いている。
 第1四半期のコンテンツ事業の売上高は30億3900万円と、前年比12.9%増となっている。配信やアニメなどのコンテンツ制作の受注が増加した。このうち朝日放送単体のコンテンツ売上高は9億7700万円、前年同期より2億7000万円増えた。

 コンテンツ関連の売上は近年、積極的なM&Aも目立つグループ会社に関係することものが多い。アニメーション製作のABCアニメーションは売上4億5100万円(10%増)、DLEは3億6600万円(48%増)、アニメーション制作のSILVER LINK.は2億6000万円(346%増)だった。イベント事業のマッシュは5億100万円(37%増)、ただしライセンスマネジメントのABCフロンティアは、3億4700万円で6%の減少だった。
 売上げの伸びの一方で、先行投資が大きくなっている。このため特にアニメ関係で業績は赤字になっている。ABCアニメーションは3000万円、DLEは1億3500万円、SILVER LINK.は1億3800万円の赤字を計上する。朝日放送HDはコンテンツ制作費が増加しているためとしており、早期の黒字化が課題になりそうだ。

 また今回の決算発表に合わせて、新たなアニメ関連企業の買収が発表された。朝日放送HDアニメキャラクターグッズの企画・開発のゼロジーアクトの全株式を取得、完全子会社とする。また朝日放送HDとSILVER LINK.、ゼロジーアクトで事業提携契約を結ぶ。子会社化後も、現代表取締役の小畑竜氏が、経営を率いる。
 ゼロジーアクトは小畑竜氏が2015年に設立、アニメキャラクターを題材にした香水やアクリル雑貨を得意とする。今後はキャラクターグッズ企画・開発、生産管理のノウハウを、朝日放送のコンテンツ、ライフ事業の連携を目指す。

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