2018年10月19日から21日の3日間、米国ハリウッドのチャイニーズシアターにて第2回Animation Is Film映画祭が開催される。米国で少ない本格的な国際アニメーション映画祭を立ち上げようと、2017年にフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭、映画誌ヴァラエティ、そして配給会社のGKIDSが協力してスタートしたものだ。
映画祭の特長は、アヌシーとGKIDSのネットワークを活かしたクオリティーの高い長編映画が揃うことだ。アヌシーでも上映された長編グランプリの『Funan』や、『Tito and the Birds』、『未来のミライ』といった話題作に加えて、アヌシーと半年ずれることで新たなプレミア上映もある。
アルゼンチン出身のJuan Antin監督による『Pachamama』は、ここがワールドプレミア。スペインのSalvador Simo監督の『Bunuel in the Labyrinth of the Turtles』も同様だ。
アヌシーに続き、日本の存在感も大きい。長編作品のみに設けられたコンペティションは、全部で11作品。このうち4本が日本からになる。アヌシーでもコンペインした『未来のミライ』、『若おかみは小学生!』のほか、『君の膵臓をたべたい』、『ペンギン・ハイウェイ』もリストアップされた。日本から受賞作が出る可能性も充分ありそうだ。
このほか『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』の上映もされる。西村義明プロデューサーが現地を訪れて、Q&Aなど交流を図る。コンペティションに含まれないのは、短編3本のオムニバス形式で全体でも1時間未満という尺の長さが影響してそうだ。
映画祭でもうひとつ注目されるのは、細田守監督の劇場長編が集中上映されることだ。『未来のミライ』は字幕版と英語吹替え版の2ヴージョンが北米プレミアになる。さらに『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、『バケモノの子』がプログラムされる。
映画祭後の11月29日、12月5日、8日に、『未来のミライ』は米国700館以上のイベント上映を実施される。同時に11月30日からはGKIDS配給の限定公開もスタートする。これで米国アカデミー賞のノミネート資格も獲得できる。海外で高い評価を受ける作品だけに、米国での今後の活躍も期待できそうだ。
[Animation Is Film映画祭 2018年長編コンペティション ラインアップ]
『Another Day of Life』 (ポーランド/スペイン Raul de la Fuente/Damian Nenow監督)
『Bunuel in the Labyrinth of the Turtles』 (スペインSalvador Simo監督)
『Funan』 (ベルギー/フランス/カンボジア Denis Do監督)
『君の膵臓をたべたい』 (日本 牛嶋新一郎監督)
『未来のミライ』 (日本 細田守監督)
『若おかみは小学生!』 (日本 高坂希太郎監督)
『Pachamama』 (アルゼンチン/フランス Juan Antin監督)
『ペンギン・ハイウェイ』 (日本 石田祐康監督)
『Ruben Brandt, Collector』 (ハンガリー Milorad Krstic監督)
『Seder-Masochism』 (米国 Nina Pale監督)
『Tito and the Birds』 (ブラジル Gabriel Bitar/Andre Catoto/Gustavo Steinberg監督)