「未来のミライ」、独・シュトゥットガルト映画祭で長編グランプリ受賞

シュトゥットガルト国際アニメーション映画祭

 2018年の公開以来、国際的に評価を高める細田守監督の映画『未来のミライ』が、またひとつ海外でアワードに輝いた。今回の舞台はドイツの工業都市シュトゥットガルトである。4月30日から5月5日まで開催された第26回シュトゥットガルト国際アニメーション映画祭(International Stuttgart Festival of Animated Film)にて、長編部門の最優秀賞グランプリにあたるAniMovieを受賞した。
 同部門には世界から60作品の応募があった。ノミネート10作品の中にはオタワや新千歳などの数々の国際アニメーション映画祭でグランプリとなった『This Magnificent Cake!』、巨匠ミッシェル・オスロの最新作『ディリリとパリの時間旅行』なども挙がっていた。

「観客は映画の中にある家に招かれます。そこで家族の成長を伴に経験するのです。同時に私たちは過去から続く人のつながりを深く理解することになりました」。
 映画祭はアワードにあたり、『未来のミライ』をこう評した。映画で描かれた小さな家の中で生まれる家族の物語が、大きな共感を呼んだようだ。

 シュトゥットガルト国際アニメーション映画祭は、1982年にスタートしたドイツ最大の国際アニメーション映画祭。毎年4月末から5月上旬にかけて開催される。短編・長編からなる映画祭に加えて、FMXと呼ばれるフィルム見本市も併催されている。世界4大アニメーション映画祭には数えられていないが、その規模はザクレブや広島を上回り、国際的にもアヌシーやオタワと並ぶ存在感を持つ。
 日本からの長編グランプリの受賞は、2015年の新海誠監督の『言の葉の庭』以来4年ぶりとなる。2010年の宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』も含めて3回目だ。

 『未来のミライ』は、これまでにアニー賞の長編部門(インディペンデント)グランプリ、シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭長編アニメーション部門の最優秀作品賞を受賞している。米国アカデミー賞、ゴールデングローブ賞にノミネートされるなど、国際的に高い評価を受けている。シュトゥットガルトのグランプリは、さらにそれを強固にしそうだ。

第26回シュトゥットガルト国際アニメーション映画祭
International Stuttgart Festival of Animated Film

https://www.itfs.de/en/

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