アヌシー映画祭、大きな関心集めた日本アニメーション100年の新たな企画
- 2017/7/24
- レポート
2017年6月12日から17日までフランスでアヌシー国際アニメーション映画祭が開催された。アヌシーは世界で最も古く、最大規模のアニメーション映画祭として知られるが、今年は長編グランプリ(クリスタル賞)に湯浅政明監督『夜明け告げるルーのうた』、同審査員賞に片渕須直監督『この世界の片隅に』、学生部門審査員賞に冠木佐和子監督『夏のゲロは冬の肴』と日本の受賞が相次ぎ国内でも大きな話題になった。
しかし日本の存在感は、コンペティションだけでない。企画マーケットでは「TOKYO PICH」が実施され、新作映画の披露でも、『GODZILLA 怪獣惑星』や『劇場版マジンガーZ』、『BLAME!』などが登場した。
期間中、様々な活動を繰り広げた「日本アニメーション100周年」のプログラムもそのひとつだ。2017年に日本アニメーションは100周年を迎えたのを機に、その魅力と今後の展開を「アニメNEXT100」を切り口にプレゼンテーションや特別上映を実施するというものだ。
一般社団法人日本動画協会が中心になって企画。日本アニメーションの上映と、プレゼンテーションが行われた。
現地のファンから人気を集めたのは、上映プログラムである。1920年代から40年代の日本の初期の短編アニメーションを紹介する「Annecy Classics: 100 Years of Japanese Animation」、1988年の『AKIRA』、2009年の『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』の3つを用意した。
いずれも期間中、複数回の上映があったにも関わらず、チケットは予約開始と同時に完売。世界の作品が集まるなかでも、日本作品の人気を感じさせた
アニメーション業界関係者に向けには、6月14日午後に国際見本市MIFAの企画のひとつとして開催された「The Future Of Japanese Anime」が関心を集めた。日本動画協会の理事長名代として日本アニメーション株式会社国際部部長の松岡泰彦氏、アニメNEXT100プロジェクトマネージャーの植野淳子氏、デンマークのThe Animation Workshop Centerのモルテン・トルニング氏、そして数土直志が登壇した。
松岡氏が日本動画協会や、現在の日本のアニメーション産業について解説。分かり難いとされる日本のアニメビジネスについてトークした。
またこの場で、「アニメNEXT100」による今後の国際的な取り組みも発表された。まずは8月8日から11日まで都内で開催されるキッズ向けのアニメーション教育プログラムを紹介した。アニメーション教育者に向けたワークショップでは、The Animation Workshop Centerも協力する。
そして10月には、東京・新宿エリアで新たなアニメフェスティバルが開催されることも明らかにされた。最新のアニメ作品が参加するとして、海外からの参加も呼びかけた。プレゼンテーションの参加者も興味を持った様子であった。
アニメNEXT100
http://anime100.jp/