小売り・流通大手の丸井グループが、アニメの製作投資に乗り出した。丸井グループは、2017年7月からスタートするテレビアニメシリーズ2作品、『アホガール』と『徒然チルドレン』に製作出資したことを明らかにした。いずれの作品も深夜帯15分枠の番組で、合わせて30分での放送となる。
丸井グループは、これまでに映画『青空エール』、実写映画『銀魂』へ製作出資をしてきたが、アニメは初となる。近年、IT企業を中心に異業種からのアニメ事業進出が増えているが、小売業界からもアニメに大きな関心が寄せられているようだ。
一見、縁遠く見える小売り・流通とアニメだが、アニメビジネスの多角化により、その接点は急激に拡大している。百貨店、専門店でのアニメとコラボイベントは日常的に実施されている。丸井グループでも、全国各地のマルイで、年間200企画を超えるアニメやゲームイベントを開催している。アニメは、もはや集客の大きな手段のひとつになっている。
今回出資した2作品についても、8月8日(火)から8月30日(水)まで、新宿マルイ アネックスにて、テレビアニメ放送を記念の期間限定イベントを行う。描き下ろしイラストを使用したコラボ商品販売をするなど、製作委員会のメンバーならではのサービス力も発揮できそうだ。
突然に見える丸井グループのアニメ製作進出だが、実際は2015年より準備を重ねての満を持してのものである。グループは2015年10月に、アニメ事業の可能性を探るべく、アニメ事業部開設準備室を立ち上げた。翌16年春には、正式にアニメ事業部となった。
丸井グループの強みは、全国にネットワークのある小売店舗、さらに商品企画・発掘の力だ。アニメイベントを使った地方創生にも力を入れる。アニメビジネスの多角を象徴するような丸井グループの今後の動きも注視されそうだ。