国内でも依然ロングラン公開を続ける新海誠監督の劇場アニメ『君の名は。』が、また大きな記録を作った。日本映画の中で世界興行収入が、最も多い作品となった。
米国の映画興行情報サイトBOX OFFICE MOJOによれば、2016年8月27日の日本公開から2017年1月8日までの『君の名は。』の日本を含む全世界興行収入は、2億8101万2839ドルだった。日本円で337億円を超える。(1ドル=120円で計算) これまで1位であった『千と千尋の神隠し』の2億7492万5095ドルを上回った。
『君の名は。』は、国内では1月13日にIMAX上映がスタート。1月14日、15日の国内週末興行ランキングでは再び2位に浮上、いまだ高い人気を誇っている。
また中国、韓国、フランスで公開中、さらに北米公開も控えている。今後もまだまだ記録を伸ばすとみられる。
『君の名は。』の国内累計興収は232億円と大記録ながら、歴代1位の『千と千尋の神隠し』の308億円からは大きく引き離されている。それがワールドワイドで『千と千尋の神隠し』を超えたのは、海外でのヒットが大きな役割を果たした。
なかでも『千と千尋の神隠し』の公開がなかった中国でのヒットが大きい。中国での興収は1月16日までに5億7000万元を超え、日本円では95億円を超えた。これが全体の押し上げに一役買っている。また台湾、タイ、香港でも『君の名は。』は『千と千尋の神隠し』を上回り、韓国でも最終的に超える見通しだ。
一方で、英国では『千と千尋の神隠し』の半分に達しておらず、フランスでも600万ドル以上であった『千と千尋の神隠し』に対して現状で100万ドルに満たない。ヨーロッパではまだスタジオジブリ作品ほどの認知度は得られていない。
今後の焦点は、北米公開だ。『千と千尋の神隠し』は2002年9月に北米公開、その後のベルリン国際映画祭金熊賞、米国アカデミー賞長編アニメーション賞受賞を経て、2003年3月に拡大公開となった。
この結果北米の興収は1000万ドルを超え、日本映画として大きなヒットとなった。日本映画の大規模な公開が難しいとされている北米市場で、『君の名は。』がどの程度の数字をあげるのかも注目される。