2016年12月2日より中国で全国公開された新海誠監督の『君の名は。』の、現地での累計興行収入が日本映画として過去最高になった。中国の映画ビジネス情報の艺恩网(EntGroup)によれば、『君の名は。』の12月17日(土)までの累計興収は、約5億3400万元(約90億円)に達した。これは2015年夏に公開された『STAND BY ME ドラえもん』の5億3032万元を超える。
また観客動員数は約1900万人と、1500万人を超えた日本をも上回る。『君の名は。』が劇場で最も観られた国は現時点で中国となる。
中国での日本映画の上映は、海外映画の輸入制限もあり2015年まで年数本と限られていた。しかし、2015年の『STAND BY ME ドラえもん』の大ヒットもあり、2016年はアニメを中心に日本映画の公開が急増、年10本を超えた。
なかでも日本で空前のヒットとなった『君の名は。』は、日本公開からわずか3ヵ月後のスピード公開、スクリーン数も7000近くと異例の態勢で挑んだ。結果はそうした期待に応えた。2年連続の日本アニメの大型ヒットは、中国の映画ビジネス関係者のマインドにも今後影響を与えそうだ。
また2016年のアニメーション映画では現在、ディズニーの『ズートピア』が15億3033万元で1位、米中合作の『カンフーパンダ3』が10億200万元の第2位、さらに中国の2Dアニメーションとしては異例のヒットとなった『大鱼海棠』の5億6520万元が第3位だ。『君の名は。』はこれに続く第4位となる。
中国では外国映画の興行が短期間に設定されており、『君の名は。』は公開3週間目で上映館数はかなり減っている。最終興行収入が6億元を超えるかは微妙なところだ。『ズートピア』、『カンフーパンダ3』を超えるのは難しそうだ。
一方で世界的な大ヒット作、『ペット』、『ファインディング・ドリー』、『モアナと伝説の海』を大きく上回る。また『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』『ファンタスティックビーストと魔法使いの旅』や『インデペンデンス・デイ: リサージェンス』に匹敵するヒットは、日本映画の海外でのビジネスチャンスを感じさせるのに十分だ。
日本映画の中国市場で歴代興行収入
1.『君の名は。』 5億3399万元 (2016年12月17日時点:公開中)
2.『STAND BY ME ドラえもん』 5億3032万元
3.『ONE PIECE FILM GOLD』 1億732万元
4.『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』 1億361万元
5.『BORUTO ボルト -NARUTO THE MOVIE-』 1億322万元
2016年 中国市場のアニメーション映画興行収入ランキング
(興行収入1億元以上)『ズートピア』 (米国) 15億3033万元
『カンフーパンダ3』 (米中合作) 10億200万元
『大鱼海棠』 (中国) 5億6520万元
『君の名は。』 (日本) 5億3399万元 (公開中)
『アングリーバード』 (米国) 5億1394万元
『アイス・エイジ5』 (米国) 4億4728万元
『ペット』 (米国) 3億8923万元
『熊出没之熊心归来』 (中国) 2億8775万元
『ファインディング・ドリー』 (米国) 2億5421万元
『モアナと伝説の海』(米国) 1億9149万元 (公開中)
『ONE PIECE FILM GOLD』 (日本) 1億732万元
『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』 (日本) 1億361万元
『BORUTO ボルト -NARUTO THE MOVIE-』 (日本) 1億322万元*数字は全て艺恩网(EntGroup)より