話題のバンドアニメを毎週TVより早く配信  AbemaTVに「BanG Dream!」

BanG Dream!

 1月21日に放送開始するアニメシリーズ『BanG Dream!』が、ネット配信のAbemaTVでテレビ放送に先駆けて放送される。『BanG Dream!』の地上波テレビ初放送は、21日(土)のTOKYO MX、サンテレビ、KBS京都の22時半からとなっている。同時刻からケーブル専門チャンネルのAT-Xも放送を開始する。これに対してAbemaTVの配信は、同日21日の22時からと30分早くスタートする。
 わずか30分ではあるが、無料で誰でも視聴可能なネット配信がテレビ放送に先行するかたちだ。AbemaTVは、本編放送に先駆けて、同日21時より出演声優をゲストにした特別番組「バンフリ!」も配信する。

 『BanG Dream!』は、ブシロード、オーバーラップ、オー・エル・エムなどが製作に参加する。次世代ガールズバンドプロジェクトと銘を打って、アニメとリアルを連動させた企画を展開する。
作中に登場するガールズバンドPoppin’Partyのミュージックビデオや楽曲をリリース、キャラクターを演じる声優も全面に立ち、作品を盛り上げる。マンガ作品 『BanG_Dream! 星の鼓動』も「月刊ブシロード」で始まり、2017年春にはスマートフォンアプリ『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』のリリースも予定されている。企画当初より、アニメと音楽、ゲーム、ライブイベントなど多角的なビジネスと収益化を目指しているのが判る。
 そうした作品が、ファンに作品を届ける手段として配信、とりわけ新サービスのAbemaTVと大胆に結びついた。

 2016年に開始したAbemaTVは、テレビ放送のチャンネルスタイルの番組編成の配信サービスだ。スタートから約半年でアプリのダウンロード数が1000万を超えたことも話題を呼んだ。
 なかでも視聴者を集めるのが、5つのチャンネルを用意するアニメである。AbemaTV側もこれに対応してアニメのラインナップ充実に力をいれる。2016年秋期には話題作『ドリフターズ』のネット独占配信を実現するなど、自社だけの番組にもこだわる。
 2017年1月期には新作28作品、継続5作品の合計33作品の最新エピソードを配信する。独占配信の『幼女戦記』や、ウェブ最速も多い。地上波放送より早く配信される『BanG Dream!』は、なかでも目玉となる。

 かつてはシリーズアニメと言えば、テレビ放送が第一で、配信は放送後しばらく経ってからとされていた。しかし、最近はインターネットやSNSを介した情報拡散スピードが速く、テレビ放送のない地域を配慮して、テレビと配信のリリース時差は急激に縮まっている。
 さらにこれが一歩進めたのが、配信先行である。2016年にはAmazonプライムが、『昭和元禄落語心中』の第1話、『甲鉄城のカバネリ』第1話を地上波放送より一日早く配信している。Comicoも自社製作の『ReLIFE』を「ReLIFEチャンネル」で先行配信した。新たな試みはすでに始まっている。
 それでも無料サービス、シリーズ全話毎回の先行配信は驚きの試みだ。地上波テレビがアニメシリーズのファーストウィンドウを独占する状況が変わるのか、今後も気になる動きだ。

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