ショートアニメプロジェクト「ラノベアニメ」 ABCアニメーション、マーベラス、バルス3社協力

「ラノベアニメ」

 アニメ化決定というと30分枠のテレビシリーズや長編劇場アニメを思い浮かべがちだ。しかし、もっと短く手軽に作り、見ることのできる作品へのニーズも少なくない。
 朝日放送系のアニメ会社ABCアニメーションやエンタメ企業のバルス、マーベラスの3社は、このショートアニメ分野に共同で乗り出すことになった。この6月からスタートしたショートアニメプロジェクト「ラノベアニメ」に協力して取り組む。

 「ラノベアニメ」は、人気のライトノベル作家が書き下ろしたオリジナルストーリーを1話あたり2分から5分程度の短尺のショートアニメで配信する。キャラクターデザインは人気イラストレーターが担当し、ライトノノベルのような味わいを売りにする。
 まず2025年6月12日から公式 YouTube チャンネルなどで配信開始した。配信にあたっては、ショート動画向けの縦型画面を採用している。
 近年、TikTokなどのSNSを中心に縦型画面で1話1分から5分程度のショートドラマが人気を集めている。「ラノベアニメ」でも、この配信向けショートドラマのフォーマットも意識されているようだ。

 作品はSFやファンタジー、青春ラブストーリー、コメディ、本格ミステリー、歴史転生ものなどで展開する。スタートは4作品で、『傷心タイムリープ』(原作・脚本:二語十・キャラクターデザイン:tanu)、『ファムファタル育成計画』(原作:日向夏・脚本:川岸殴魚・キャラクターデザイン:桶乃 かもく)、『Jack the Reaper(』「原作:長月達平・脚本:羽咲うさぎ・キャラクターデザイン:千種みのり)、『マリー・アントワネットに転生したので全力でギロチンを回避します』(原作・脚本:天野 頌子・キャラクターデザイン:藤真拓哉)。今後順次拡大予定となる。
 さらに7月12日26時から、ABCアニメ・朝日系列の「ANiMAZiNG!!!」枠にて「週刊ラノベアニメ」として、テレビアニメ用に再編集した横型画面でも放送する。ネットとテレビの両面展開で知名度向上を目指す。

 アニメ制作を担当するバルスは、これを機にショートアニメを専門に制作するZiine Studioを立ち上げた。Ziine Studioは独自のモーションキャプチャー技術と着色システムを活用し、従来より制作期間とコストを大幅に削減、最短3ヶ月でアニメ化を実現するという。
 アニメ化したいがコストやスケジュールの壁が高い、アニメ化しても収益化の道筋が見えないといったクリエイターや権利者の悩みに答える。バルスでは、スピーディーな制作体制で映像化のタイミングを逃さない、低コストで高い収益化を実現できるなどのメリットがあると説明する。

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