日本テレビ24年3月期のアニメ事業売上げ80%増 アンパンマンの中国番販も貢献

ファイナンス決算

 2024年5月13日に、日本テレビホールディングスが24年3月期通期決算を発表した。通期連結売上高は4235億2300万円で2.3%増加。営業利益は418億7700万円(10.1%減)、経常利益は495億300万円(4.4%減)、当期純利益は346億6000万円(1.7%増)だった。
 地上波を中心に厳しかったテレビ広告収入が減少したが、アニメや海外番組販売、IPビジネス、映画などが好調で、広告収入の減少をカバーした。グループ会社では、イベント事業のムラヤマ、フィットネスクラブのティップネスなどが堅調だった。また第4四半期より連結決算にスタジオジブリの売上が加わったことで、コンテンツ販売収入が8.2%(60億5400万円)増の797億7100万円になった。

 アニメ事業は、大きく成長している。グループ主要会社の日本テレビ放送網の通期のアニメ事業の売上高は66億9500万円で前年比79.7%もの増加になった。売上増に伴い利益も拡大、営業利益は28億4300万円だった。こちらは58%の増加だ。事業部門の売上では映画の36億6700万円、イベントの62億8900万円、IPビジネスの52億400万円などを超え、利益面でも他事業を大きく引き離す。
 期間中は、『葬送のフリーレン』と『薬屋のひとりごと』の両作品が大きな成功となった。また『アンパンマン』の中国向け番組販売など、海外向けビジネスが拡大している。日本テレビの海外番組販売全体の売上高は73億円で、前年の39億円から大きく拡大した。その売上高の約半分がアニメからとなっている。

 アニメに関係する他のグループ会社では、アニメーション制作のタツノコプロは売上高5億8300万円(77%)と振るわなかった。営業損失2億2700万円、経常損失2億600万円、当期純損失2億2600万円と利益面ではマイナスに転じた。
 アンパンマンミュージアムを運営するACMは事業が拡大している。売上高は49億7700万円(13.8%増)、営業利益12億3500万円(40.5%増)、経常利益12億9000万円(38.7%増)、当期純利益は8億4800万円(24.0%減)。
このほか配信プラットフォームのHJホールディングスは、売上高337億円(2.0%増)の営業利益2億3900万円(1.1%減)。映像パッケージのバップが売上高66億4300万円(5.3%減)、営業利益14億5000万円(4.4%減)。
 2023年秋に子会社化したスタジオジブリの業績は、第4四半期以降に収益を日本テレビHDと連結している。映画公開の予定は発表されていないが、各種展示会、国内外の舞台化などが活発だ。通期で業績に寄与する25年3月期には、グループのアニメ事業の売上高拡大にさらに寄与しそうだ。

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