日本テレビがスタジオジブリを子会社化、株式42.3%取得と経営サポート契約締結

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 日本テレビ放送網株とスタジオジブリは、2023年9月21日に取締役会を開き、日本テレビがスタジオジブリの株式を取得し子会社化することを決議した。日本テレビはスタジオジブリの株式取得を進め、議決権所有割合42.3%の筆頭株主になる。10月6日に契約締結、株式譲渡される。
 日本テレビはこれまでもスタジオジブリの株式を一部保有していたと見られるが、新たな取得株数は明らかにされていない。また株式取得先は複数の個人としており、取得価額は今後発表可能になった時点で開示するとしている。

 スタジオジブリは1985年に徳間書店の支援を受けて、映画『風の谷のナウシカ』の公開後に設立された。故高畑勲氏、宮崎駿氏のアニメ映画を制作することが目的で、『天空の城ラピュタ』(1986)、『となりのトトロ』(1988)と『火垂るの墓』(1988)が相次いで制作されている。その後も『魔女の宅急便』(1989)、『もののけ姫』(1997)、『千と千尋の神隠し』(2001)、『かぐや姫の物語』(2013)などヒット作、傑作を次々に輩出し、日本だけでなく、世界で知られるアニメスタジオに成長した。
 一方でスタジオ経営体制は何度か変化している。徳間書店に一時期は吸収され、その後2005年に鈴木敏夫氏、宮崎駿氏、高畑勲氏らが中心になり営業権を取得。現在のスタジオジブリが設立されている。
 またスタジオ経営の持続と後継者問題も常に揺れていた。アニメ監督で宮崎駿氏の長男である宮崎吾朗氏や次世代のプロデューサーに託したいと発言もかつてあった。また2014年の制作部門休止の際にはライセンス管理を主流とする道も探られていたと見られる。

 今回の日本テレビによる子会社化決定は、創業メンバーの高齢も理由のひとつだ。2018年に高畑勲氏が逝去し、今年で宮﨑駿氏は82歳、鈴木敏夫氏は75歳となる。将来にわたり事業継続をするならば、新たな経営体制の見通しが必要であった。
 その中でスタジオジブリは、長年付き合いのあった日本テレビとの間で話し合いを始めて、今回の動きとなった。日本テレビは株式取得と同時に、スタジオジブリの経営面をサポートする契約を締結する。そのうえでスタジオジブリの「もの作り」に専念する体制、新たな作品を生み出す土壌づくりをサポートし、ブランドの価値を永続的に守り続けていくとしている。また日本テレビグループ全体の企業価値の向上にもつながるとする。

 新体制後、日本テレビからは代表取締役社⻑として 取締役専務執⾏役員で日本テレビホールディングス上席執⾏役員の福田博之氏が派遣される。さらに取締役2名、監査役1名も日本テレビから就任する予定だ。
 現代表取締役社長の鈴木敏夫氏は代表取締役議長に、宮崎駿氏は取締役名誉会長として引き続き経営にかかわる。今後もスタジオ内での存在感は大きそうだ。またスタジオジブリ取締役の中島清文氏が代表取締役副社長、宮崎吾朗氏は常務取締役となる。いずれも2023年10月30日に開催するスタジオジブリ臨時株主総会で決議する予定だ。

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