KADOKAWAがアナログゲームのアークライト子会社化 TCGやボードゲーム進出

KADOKAWA/アークライト

 KADOKAWAがボードゲームやトレーディングカードゲーム(TCG)分野に本格進出する。2024年4月26日、KADOKAWAは東京・千代田区のゲーム企画・製造・販売のアークライトの株式取得で合意し、子会社化すると発表した。
 アークライはテーブルトークのロールプレイングゲーム(RPG)などアナログゲームの開発、販売を手がける。KADOKAWAと手がけてきた「クトゥルフ神話TRPG」シリーズなどのヒット作がある。自社開発のほか、海外の有名タイトルの国内ライセンスも多く保有する。
 またトレーディングカードゲーム(TCG)では、カードゲーム販売チェーン「ホビーステーション」を運営している。全国で32店舗を持つ、この分野では大手だ。また大型イベント「ゲームマーケット」も主催する。
 1998年に設立され、従業員は100名を越え、アナログゲーム分野で存在感が大きい。買収価格は非公表。

 KADOKAWAは出版や映像、ゲーム、ウェブの大手エンタテイメント企業で、広いエンタテイメント領域で積極的な事業拡張を続けている。なかでも新たな作品創出を重視している。そのためには新規事業開発に加えて、M&Aにも積極的だ。アークライト子会社化を通じたアナログゲーム事業の強化も、その一環となる。
 市場が巨大なこともありゲームと言えばビデオゲームやネットワークゲームに目が向けがちだが、TCGやボードゲームなどの非デジタルのアナログゲームは、現在成長マーケットである。2018年には900億円弱であった国内TCG市場は2022年には2300億円を超える規模まで大きくなっている。またKADOKAWAはボードゲームの世界市場は2023年の93億ドル(約1.2兆円)から2036年には2.4倍超へ拡大すると見ている。

 KADOKAWAはアークライトがグループに加わることで、KADOKAWAが保有する作品のアナログゲーム商品化が加速できるとする。これによりメディアミックスのジャンルが広がると考えだ。また同社の運営イベントを通じたゲーム開発者や作家の発掘にも期待する。
 アークライトはアナログゲームの認知が進むなか、今後の成長のためには海外進出と人気作品との連動が必要だと考えてきた。そのなかでKADOKAWAと一緒に取り組むことで、シナジー効果を利用さらなる発展を目指させると子会社化を選択した。

アークライト(ARCLIGHT, Inc.)
https://www.arclight.co.jp/

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