Googleからピクサー、NFBまで 米国アカデミー賞短編アニメーション部門に5作品

米国アカデミー賞長編アニメーション部門

 2017年1月24日、米国の映画芸術科学アカデミーは、第89回米国アカデミー賞の各部門のノミネート作品を発表した。このうち短編アニメーション部門からも、5作品が決定した。 『Blind Vaysha』(セオドア・ウシェフ監督)、『Borrowed Time』(Andrew Coats、Lou Hamou-Lhadj共同監督)、『Pear Cider and Cigarettes』(ロバート・バレー監督)、『Pearl』(パトリック・オズボーン監督)、『ひな鳥の冒険』(アラン・バリラーロ監督)の5作品である。
 アカデミー賞では長編アニメーションのほうがより注目されがちだが、短編アニメーションも独自の個性を放っている。2001年にスタートした長編に対して、1931年スタートと80年以上もの歴史を誇る。さらに長編と違い、作品は必ずしも米国公開に限定されない。そうした点で世界のアニメーションシーンのトレンドを追う中でも見逃せない。

 ノミネートにあたっては、まず選考対象作品69本が選ばれた。これらを10作品に絞り込んだ。そこから今回、ノミネート5作品を選びだしている。ここに至るまですでに3回もの選考が行われていることになる。
 5作品の中からさらに投票をし、短編アニメーション賞(Best Animated Short Film)が決まる。2月21日にハリウッドのドルビーシアターで開催される授賞式にて、発表されることになる。

 ノミネート作品には、ユニークな作品が揃った。ディズニースタジオ出身パトリック・オズボーン監督の『Pearl』は、Googleの技術開発チームが進める360℃動画プロジェクトのSpotlight Storiesの一環として制作された。ハイテクとアニメーション作家が手を組む試みである。
 『ひな鳥の冒険』は、『ファインディング・ドリー』と同時上映されたピクサーの作品。圧倒的なリアル感のCGとひな鳥の可愛さを共存させている。『Borrowed Time』のふたりの監督もピクサー出身だ。
 『Blind Vaysha』はブルガリア出身のセオドア・ウシェフ監督の最新作、NFB(カナダ国立映画庁:National Film Board of Canada)が制作する。『Pear Cider and Cigarettes』はテクノ音楽を全面に打ち出した作品、Kickstaterでのクラウドファンディングでも注目を集めた。
 どの作品が受賞に輝いても、納得の結果と言えるだろう。

第89回米国アカデミー賞 短編アニメーション部門ノミネート作品

■ 『Blind Vaysha』
セオドア・ウシェフ監督 (NFB)
■ 『Borrowed Time』
Andrew Coats、Lou Hamou-Lhadj共同監督 (Quorumフィルム)
■ 『Pear Cider and Cigarettes』
ロバート・バレー監督 (Massive Swerveスタジオ、Passionピクチャー・アニメーション)
■ 『Pearl』
パトリック・オズボーン監督 (Google Spotlight Stories、Evil Eyeピクチャー)
■ 『ひな鳥の冒険』 
アラン・バリラーロ監督 (ピクサー・アニメーションスタジオ) 

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