ソニーグループがKADOKAWAに500億円追加出資 資本業務提携を発表

提携

 2024年12月19日、ソニーグループは第三者割当増資を通じてKADOKAWAの株式を取得、資本業務提携を結ぶことを明らかにした。KADOKAWAは2025年1月7日付で新たに1205万54100株を発行、ソニーはこれを1株4146円で全て引き受ける。取得金額はおよそ500憶円。
 ソニーグループは2021年2月にもやはり第三者割当で2.01%分の株式を取得している。今回の追加取得で、KADOKAWAへの持株比率は9.68%と上昇する。韓国系信託(持株比率10.1%)や日本マスタートラスト信託銀行が管理する信託口(9.76%)に続く大株主で、顔の見える株主としては筆頭だ。

 ソニーグループのKADOKAWAの株式取得は11月19日の国内外のメディアが検討中と報道され、エンタテイメント業界に大きな波紋を巻き起こしていた。
 買収の可能性にも言及されたこともあり、巨大エンタメ会社と国内有数の出版・映像企業の統合として注目された。今回の一部株式取得は、そうした中ではサプライズも、業界に対する影響も比較的小さなものになった。

 資本業務提携において両社は、それぞれが保有する アニメやゲームなどのコンテンツのグローバル展開での連携を強化する。またコンテンツ分野の事業への共同出資の検討、クリエイターの共同発掘、メディアミックスの共同推進、またKADOKAWA の作品に基づいたソニーグループでの実写映画化やドラマ化に言及されている。KADOKAWAの得意とする小説やマンガの映像展開は提携の軸になりそうだ。
 アニメについては、製作の共同幹事・共同制作を進めるとしている。さらにKADOKAWAのアニメとその関連商品をソニーグループのグローバル流通を通じることで拡大を目指す。ソニーグループがKADOKAWAのマンガなどをデジタル配信するともしている。提携は広い範囲に及ぶ。

 KADOKAWAにとっては、第三者割当で500憶円の投資資金を得たことは大きい。今後はコンテンツ事業拡大の大型投資が可能になる。
 このうち200億円は今後5年間をめどに、世界市場を目指したアニメシリーズ、アニメ映画、実写映画・ドラマ、ゲームの企画・開発やプラットフォームの拡大に投じるとしている。狙いは新たな作品の創出や開発である。出版社、アニメーション制作会社、ゲーム会社の買収も視野にいれる。
 さらにおよそ300億円をグローバル流通の強化に投資する。海外での製造、流通、販売拠点の整備のほか、こちらも企業買収に前向きだ。

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