米国ゴールデングローブ賞で湯浅政明監督「犬王」ノミネート

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 米国の映画賞レースの中でも重要なゴールデングローブ賞の第80回ノミネートが、2022年12月13日に発表された。このうち長編アニメーションを対象とする最優秀アニメーション(Best Picture – Animated)のノミネート5作品に湯浅政明監督の『犬王』が選ばれた。同部門に日本作品がノミネートするのは、第76回の『未来のミライ』(細田守監督)以来4年ぶり、2度目となる。
 他の候補作は4作品。Netflixの話題作『ギレルモ・デル・トロ、のピノッキオ』、近年のピクサーのなかでもとりわけ評価の高い『私ときどきレッサーパンダ』、ドリームワークスの人気シリーズ最新作『長ぐつをはいたネコと9つの命』、そしてYouTubeでの短編発表をきっかけに制作されたストップモーションアニメの『Marcel the Shell With Shoes On』である。今後はノミネートの中から投票のうえ最優秀賞を決定、2023年1月10日にロサンゼルス市のビバリーヒルトンホテルで発表される。

 『犬王』は室町時代に実在した能楽師・犬王をモデルした作品。犬王とその友人・友名が成り上っていく様子を大胆にロック・ミュージカルにアレンジした。アニメーション制作はサイエンスSARUが担当する。ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門、トロント国際映画祭スペシャル・プレゼンテーション部門出品など、国内外の映画祭で注目を浴びてきた。
 監督の湯浅政明は2017年に『夜明け告げるルーのうた』でアヌシー国際アニメーション映画祭グランプリ、『夜は短し歩けよ乙女』でオタワ国際アニメーション映画祭グランプリなど、現在、世界で最も注目を集める日本のアニメーション監督のひとりになっている。そうした評価が今回はゴールデングローブ賞に広がったかたちだ。

 ゴールデングローブ賞は1944年にスタート。ハリウッド外国人映画記者協会が毎年、該当の1年間に発表された映画・テレビの優れた番組・スタッフから最優秀賞を決定する。アニメーション映画部門は2007年から設けられ、日本作品は2018年に『未来のミライ』がノミネートされたのみだった。
 数ある映画賞のなかでもアカデミー賞の前哨戦として知られている。ゴールデングローブ賞自体だけでなく、この後発表されるアカデミー賞への影響もありそうだ。『未来のミライ』はゴールデングローブ賞と合わせてアカデミー賞にもノミネートされている。

 アカデミー賞のほうの長編アニメーション部門は、現在はエントリー資格のある27本が発表されている。ゴールデングローブ賞のノミネート作品は全て含まれている。日本からは『犬王』のほか、『グッバイ、ドン・グリーズ!』、『雨を告げる漂流団地』がリストアップされた。
 こちらも投票のうえ5作品のノミネートが決められる。例年に比べて日本作品が少なく、日本アニメの間での票割れは少なそうだ。ここでも日本作品へのチャンスは大きそうだ。

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