『千と千尋の神隠し』、『となりのトトロ』など日本を代表するアニメを次々に生み出してきたスタジオジブリが、2020年9月18日に公式サイトにてサプライズな発表をした。「今月から、スタジオジブリ作品の場面写真の提供を開始します」とタイトルした記事である。
記事によれば、スタジオジブリは今後自社が関わる全作品の場面写真を順次提供する。第1弾としてサイトには、『思い出のマーニー』、『かぐや姫の物語』、『風立ちぬ』、『コクリコ坂から』、『借りぐらしのアリエッティ』、『崖の上のポニョ』、『ゲド戦記』、『千と千尋の神隠し』の8作品から各50枚計400枚の場面写真を用意した。
使用目的や使用形態などの細則は設けておらず「常識の範囲でご自由にお使いください」とだけしている。無料で利用できるとみていいだろう。
日本のアニメ作品は、国内外で権利管理が厳しいのでよく知られている。雑誌やウェブに掲載するキービジュアルや場面写真を使用するにも、権利者に問い合わせて許諾を取るのはなかなかハードルが高い。時には写真1枚当たりいくらといった使用料がかかることもある。そもそも権利者が誰かも分からず、連絡を取ることすら出来ないといったケースも少なくない。
それを今回は無料で提供するというのだから驚きだ。利用目的についても「常識の範囲」としているから商業利用や作品の改変、貶めるような内容は避けるべきであるが、作品を紹介するファンサイトなどでの使用は問題ないだろう。これまで権利的に問題があるとしつつスクリーンキャプチャーなどを使ってきたファンにとって朗報だろう。
そして今回何よりも目を見張るのはその数の多さだ。8作品それぞれ50枚ずつ。いずれも映画を観た人であればすぐに思い浮かぶ名シーンばかりである。通常こうした場面写真はメディア用に提供される場合では数枚程度のことが多く、こちらも破格のサービスである。
サイトでは全作品としているので、今後も順次作品が追加されるとみられる。スタジオジブリ作品の紹介やレビュー、感想などをする際には、まずチェックをすることになりそうだ。
スタジオジブリの公式サイト
今月から、スタジオジブリ作品の場面写真の提供を開始します
http://www.ghibli.jp/info/013344/