2022年2月8日、首都圏キー局のテレビ東京ホールディングス(テレビ東京HD)は、第3四半期決算公表に合わせて22年3月期通期連結業績予想を上方修正した。売上高は1445億円から1481億円 に、営業利益は70億円から80億円に、経常利益は68億4000万円から82億円に、当期純利益は39億6000万円から53億5000万円にそれぞれ引き上げられた。
上方修正は第3四半期までの好調を受けたものだ。テレビ東京の放送スポット広告収入が好調だったほか、アニメ事業の伸びも大きかった。中国の配信企業向けのライセンス販売、北米向けの商品化権などが好調を維持した。
アニメ事業の通期売上予想も上方修正されている。前回の予想では171億4900万円だったが、182億8400万円に引き上げた。
テレビ東京HDの事業は、主に放送事業とライツ事業にふたつに大きく分けられている。近年伸びが大きく、放送外収入として注目されているのがライツ事業だ。アニメ部門、配信ビジネス部門、イベント部門の3つから構成されるが、その最大部門がアニメになる。
22年第3四半期までのライツ事業全体の売上高は191億2100万円、前年同期比で21.7%もの増加だ。このうちアニメ部門は123億3200万円(8.1%増)、今期より売上の一部を配信ビジネス部門に移しており、前年までの基準であれば159億7900万円に相当する。
配信ビジネス部門は、映画出資の配分収入・ライセンス収入、実写番組のライセンス収入を中心としている。こちらの伸びはさらに大きい。売上高は43億9800万円、前年同期比で41.9%増もの伸びとなった。
前年同期に比べてコロナの影響を抑えたことで新作ドラマの制作が順調に進んだほか、「孤独のグルメ」シリーズなどのアーカイブ作品の配信権販売が好調だった。海外向けは中国への販売が縮小したが、国内配信事業者向けが大幅増だった。
このほかビデオソフトで『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』『メンズ校』がヒットした。映画では『花束みたいな恋をした』がヒットしたが、映画全体では減収だった。