報知新聞は2021年12月1日に、「第46回報知映画賞」の各賞を発表した。国内でも数多い映画賞のなかでも、そのシーズンで最も早く発表されることで毎年注目を集めるアワードである。
注目度の高い作品賞(邦画)には、東日本大震災後の仙台で起きた連続殺人事件を描く社会派のミステリー映画『護られなかった者たちへ』が選ばれた。また監督賞には今年監督作品2本、『そして、バトンは渡された』『老後の資金がありません!』を撮った前田哲に決まった。
アニメ作品賞も、今シーズンで最も早い長編アニメーションのアワードになる。11本あったノミネートから選ばれたのは、『漁港の肉子ちゃん』(渡辺歩監督)だった。西加奈子の小説を原作に、芸人の明石家さんまが企画・プロデュースした話題作である。映像の美しさで定評のあるアニメスタジオのSTUDIO4℃が、東北の小さな漁村で暮らす母娘の生活と小さな事件を描きだした。
報知映画賞は報知新聞が主催するアワードとして1976年に誕生、すでに46年もの歴史を誇る。読者投票で決定した各部門10本ほどのノミネート作品から、選考委員が受賞を決める。
アニメ作品賞は2017年の第42回から設けられている。今年の対象は2020年12月1日から21年11月30日までに1週間以上有料で一般公開された作品だ。アニメ作品賞は今回11本がノミネートされ、読者投票では『竜とそばかすの姫』が1位になっていた。『漁港の肉子ちゃん』が、選考委員会でこれをひっくり返した。
また今年はアニメ作品賞以外でも、アニメーションの活躍があった。3年以内に本格デビューした俳優・監督を対象とする新人賞で、『JUNK HEAD』の堀貴秀監督が受賞している。
『JUNK HEAD』は、環境汚染の進んだ未来を舞台にしたSFストップモーションアニメーションだ。独学で手法を学んだ堀監督が7年かけて作り上げたことで話題を呼んだ。ストップモーションらしい緻密で生々しい動きと、独特の世界設計・デザインが特徴になっている。
報知新聞賞 https://www.hochi.co.jp/award/hochi_eigashou/