ガンダム初のオリジナルグラフィック・ノベル、米国レジェンダリーがクラウドファンディング企画

Gundam Breaker Battlogue: New Build

 日本国内でアニメファンから圧倒的な支持を受ける「機動戦士ガンダム」シリーズが、米国でアメコミスタイルの作品になりそうだ。米国のコミック出版社レジェンダリー・コミック(Legendary Comics)は、2023年8月24日にガンダムシリーズのグラフィック・ノベル企画『Gundam Breaker Battlogue: New Build (ガンダムブレイカー バトローグ:ニュービルド)』を発表した。
 また同日、大手クラウドファンディングのKICKSTATERにて、製作に必要な資金の調達を開始した。プロジェクトにかかる費用は8万ドル(約1170万円)で、8月29日現在で全体の4割強にあたる3万4000ドルの支援を得た。ただし今回のプロジェクトは目標の金額に達しなければ成立しないオール・オワ・ナッシング方式で、残り24日で8万ドルを集めなければ『ガンダム ブレイカー バトローグ:ニュービルド』は制作されない。

 米国でグラフィック・ノベルと呼ばれるのは、雑誌形態でなく単行本形式で出版されるコミックス作品を指す。これまでも安彦良和の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』など日本マンガが翻訳出版として米国で発売されている。しかしアメコミスタイルで、オリジナル作品が米国で刊行されるのは初になる。
 『ガンダムブレイカー バトローグ』は2021年に、ガンプラバトル全米選手権を舞台にした全6話の配信アニメとして誕生した。今回はそこから派生し、かつ独立したストーリーとなる。
 日本でガンダムシリーズに携わってきた増田信夫がストーリーを書き、グラフィック・ノベルで経験の多いネルソン・ダニエルが作画を担当する。彼は『名探偵ピカチュウ』や「パシフィック・リム」シリーズのグラフィック・ノベルでも活躍している。日本国外でオリジナルのグラフィック・ノベル作品が制作されるのは初だとしている。

 企画を打ち出したレジェンダリー・コミックは、映画製作の大手レジェンダリー・ピクチャーズと同じ、レジェンダリー・エンタテインメントの子会社だ。2010年に設立され、いくつかのオリジナルタイトルを刊行している。
 しかし得意とするのは、グループが展開する大作映画との連動作品だ。ラインナップには「ゴジラ」や「パシフィック・リム」、「キングコング」などが並ぶ。
 レジェンダリーは現在、Netflixオリジナルタイトルとして日本のバンダイナムコフィルムワークスと実写版『機動戦士ガンダム』の共同製作プロジェクトを進めている。今回の『ガンダムブレイカー バトローグ:ニュービルド』も、そうした流れの中にありそうだ。

「Gundam Breaker Battlogue: New Build」のKICKSTATERのページ
https://www.kickstarter.com/projects/legendarycomics/gundam-battlogue

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