この夏フランスにて開催される「アヌシー国際アニメーション映画祭」にて、タムラコータローが監督した映画『ジョゼと虎と魚たち』が大きな脚光を浴びる。世界で最も古く60年の歴史を持つ映画祭のオープニング作品に『ジョゼと虎と魚たち』が選ばれた。オープニング上映はその年の映画祭の顔というべき存在で、作品への高い評価を反映したものだ。
『ジョゼと虎と魚たち』はもうひとつ、本年の長編部門のオフィシャルセレクションにも選ばれている。他の9作品と共にグランプリにあたるクリスタル賞などアワードを競うことになる。オープニング作品の選出は、こちらのはずみもつけそうだ。
『ジョゼと虎と魚たち』は、作家・田辺聖子の短編小説を原作としている。大学生の恒夫と足の不自由なジョゼの交流を描いた作品で、2003年には実写映画化もされた。劇場アニメでは『ノラガミ』でも評価されたタムラコータローを監督に起用、「エウレカセブン」や『僕のヒーローアカデミア』などでお馴染みのボンズがアニメーション制作を手がけた。
日本では2020年12月25日に公開され、好評を博した。アヌシー国際アニメーション映画祭はフランスプレミアが条件のため、フランスで発表されていなければ日本公開済みでもコンペティションにエントリー出来る。フランスでは6月16日から劇場公開する予定だ。
アヌシー国際アニメーション映画祭は、1960年にカンヌ国際映画祭からアニメーション部門が独立するかたちで始まった。アニメーション映画祭では最も長い歴史を誇るだけでなく、規模でも最大、世界のアニメーション業界のハブとなっている。
00年代以降長編部門を強化しており、映画祭の華にもなっている。今年はオフィシャルコンペティションに10作品、コントラシャン部門9作品がラインナップされた。日本からは『ジョゼと虎と魚たち』のほかオフィシャルコンペティションに『鹿の王 ユナと約束の旅』と『えんとつ町のプペル』も選ばれている。
アヌシー国際アニメーション映画祭
https://www.annecy.org/home
『ジョゼと虎と魚たち』
https://joseetora.jp/