短編コンペに日本から5作品、アヌシー国際アニメーション映画祭

アヌシー国際アニメーション映画祭

 世界最大のアニメーション映画祭であるアヌシー国際アニメーション映画祭は、2022年3月15日に今年の短編コンペティションの公式セレクションを発表した。このうち短編オフィシャル部門に日本から4作品、ヤングオーディエンス部門に1作品、合計5作品が選ばれた。
 短編オフィシャル部門は、水尻自子氏の『不安な体』、和田淳氏の『半島の鳥』、ひらのりょう氏の『ガスー』、そして矢野ほなみ氏の『骨噛み』。ヤングオーディエンス部門には世界的なアニメーション監督である山村浩二氏の最新作『ホッキョクグマすっごくひま』が選ばれている。

【日本からのコンペティション作品】
[短編オフィシャル部門]
『不安な体』 水尻自子 (日本/フランス)
『半島の鳥』 和田淳 (日本/フランス)
『ガスー』 ひらのりょう (日本)
『骨噛み』 矢野ほなみ (日本)

[ヤングオーディエンス部門]
『ホッキョクグマすっごくひま』 山村浩二 (日本)

 短編コンペティションには世界152ヶ国・地域から1347作品の応募があり、短編オフィシャル部門で37作品、オフリミット部門8作品、パースペクティブ部門17作品、ヤングオーディエンス部門9作品の合計72作品を選出された。数は少なくないが、フランスを中心にヨーロッパ作品が多く選ばれる傾向が強い。日本からの5作品は、近年にない多さだ。
 短編オフィシャル部門のうち水尻自子氏の『不安な体』と和田淳氏の『半島の鳥』は、インディペンデント作品の制作・配給を手がける日本のニューディアーとフランスMIYUプロダクションとの共同制作になる。ニューディアーの国境を越えた挑戦が実を結んだかたちだ。
 水尻氏、和田氏、ひらの氏、それに山村氏は、数々の国際映画祭の常連で海外ではお馴染みの顔だ。そうした高い評価が、今回のアヌシーにもつながっている。

 そうしたなかで矢野ほなみ氏の『骨噛み』が台風の目だ。すでに2021年のオタワ国際アニメーション映画祭でグランプリを獲得しているほか、国内アワードでも受賞が相次ぐ。アヌシーでの上映でさらにグローバルでの認知が拡大しそうだ。
 本作のプロデューサーは山村浩二氏が担当しており、異なる役割でのダブルノミネートになった。こちらも話題となりそうだ。

 今年のアヌシーは6月13日から18日までの6日間、現地にてリアル開催を目指している。スイスを特集国としてフォーカスするほか、国際マーケットMIFAをはじめ多彩な関連企画を実施する。映画祭最終日の6月18日に、現地で開催される授賞式にてコンペティション各部門各賞が発表される。
 短編以外のオフィシャル作品は、今後、学生部門、テレビ&コマーシャル部門は3月28日に、VR部門は4月末に、そして長編部門は5月初めに発表される。6月の映画祭にむけて、盛り上げていくことになる。

アヌシー国際アニメーション映画祭
https://www.annecy.org/home

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