エンタテイメント商材の中間流通大手ハピネットの業績が好調に推移している。2021年2月9日に発表した2021年3月期第3四半期の連結決算は増収増益、特に利益面の伸びが大きかった。
第3四半期まで売上高は2009億2700万円(10.6%増)、営業利益が42億9000万円(41.8%増)、経常利益43億5400万円(46.4%増)、当期純利益27億5100万円(60.8%増)である。新たな子会社を連結し、『鬼滅の刃』関連商品のあった玩具事業、「Nintendo Switch」のヒットがあったビデオゲーム事業が牽引した。
玩具事業の売上高は726億4100万円(13.4%増)、営業利益が28億1800万円(82.5%増)。売上高の増加は2019年11月に模型玩具卸売のイリサワの子会社化したことも影響した。またコンビニエンスストア向け商品が好調で、バンダイの「鬼滅の刃 DX日輪刀」のヒットも大きかった。
映像音楽事業はほぼ前年並み売上491億5300万円(8.5%減)、営業利益は6億300万円(3.8%増)である。新譜の発売延期などによる低迷からは回復傾向にあり、嵐のアルバム「This is 嵐」がヒットした。
ビデオゲーム事業は「Nintendo Switch」のハードと「あつまれ どうぶつの森」、「リングフィットアドベンチャー」といった関連ソフト、またPlayStation5が牽引した。売上高は662億5700万円(34.8%増)、営業利益は13億2600万円(78.5%増)である。
アミューズメント事業はカプセル玩具で「鬼滅の刃」関連商品が好調も、商業施設の休業・営業時間短縮が響いた。売上高は128億7400万円(12.2%減)、営業利益は5億2700万円(53.5%減)である。
第3四半期までの業績を背景に、ハピネットは通期連結業績予想を上方修正した。売上高は2400億円から2500億円、営業利益は37億円から43億円、経常利益は35億円から43億円、当期純利益は21億円から27億円へ引きあげる。いずれも前年比増で、年度を通じた増収増益を目指す。