2020年3月のNetflixオリジナル映画『オルタード・カーボン:リスリーブド』でも注目されたCGアニメスタジオANIMA(アニマ)が、事業の多角化、作品の原作開発に意欲的だ。2020年より自社オリジナル企画とその映像化を視野にいれた「ANIMAオリジナル作品出版プロジェクト」をスタートしている。
第1弾として6月23日から原作参加するマンガ『鉄輪のカゲ・ルイ』の連載を、電子書店イーブックジャパンにて開始した。原作はANIMAと『終局エンゲージ』の代表作がある江藤俊司、作画に井上菜摘、そしてスーパーバイザーとして『機動戦士ガンダム サンダーボルト』の太田垣康男が参加する。またデジタルエージェンシーのナンバーナインが編集で協力する。
『鉄輪のカゲ・ルイ』の舞台となるのは、大和朝廷と蝦夷が東北で争っていた平安時代。戦いのなかで生まれた鬼を倒すため蝦夷の族長・アテルイと朝廷の真蔭が手を組む。アテルイは蝦夷に伝わる〈鉄輪〉による変身能力も使い、妻の敵討ちを目指す。連載初回は46ページの大ボリューム、第2回以降は隔週火曜日に新エピソードをアップする。
アニマは1997年に設立、ゲームや映画、アニメ、遊技機などのCG映像制作で実績を残してきた。2011年にショートアニメ『CAT SHIT ONE -THE ANIMATED SERIES-』が第9回VESアワードにノミネートされるなど、その技術力の高さにはかねてより定評がある。
近年は映像だけでなく、作品全体の制作も手掛けるようになっている。2020年3月に配信を開始した『オルタード・カーボン:リスリーブド』や、アニメ『モンスターストライク』などである。
さらに今回、原作づくりに挑む。きっかけは2018年にスタジオ・トアと業務提携を締結したことだ。これにより人気マンガ家・太田垣康男が原作づくり参加するようになり、本格的なチームを編成した。企画・原作をチームで立案し、パートナー企業と共に作品を発表する。アニマは作品の原作と映像化権を保有し、映像化を目指す。
第一弾の『鉄輪のカゲ・ルイ』はマンガになったが、既に第2弾も予定されている。こちらは小説で、『鋼鉄城アイアンキャッスル(仮題)』として、2020年末、小学館ガガガ文庫よりシリーズ刊行を予定している。両作品ともさらなる今後の展開が期待される。