2019年末から2020年にかけてネット上で話題を呼んだ きくちゆうきの4コママンガ『100日後に死ぬワニ』が、『100日間生きたワニ』として劇場アニメ化される。2020年5月28日に東宝配給で全国公開されることが2月17日に発表された。
監督・脚本に『カメラを止めるな!』の上田慎一郎、『こんぷれっくす×コンプレックス』のふくだみゆきの夫妻を起用。コンテ・アニメーションディレクトに『伝説巨神イデオン』キャラクターデザイン・アニメーションディレクターの湖川友謙、主題歌をいきものがかり、主人公ワニ役の声を神木隆之介と、大物が並ぶ大きな枠組みが話題になった。
そのなかでアニメーション制作をあまり聞きなれないTIA株式会社というアニメスタジオが担当することが注目される。設立は2017年夏、歴史が浅く大きな作品を制作するのは『100日間生きたワニ』が初めてとなるはずだ。
TIAの文字は(TOHO INTERACTIVE ANIMATION STUDIOS)を表現するものでもある。TIAは東宝系のアニメスタジオなのだ。
もともとゲーム開発のイルカと、CGアニメなど映像制のアニマの2社が2017年に共同出資で設立。これに東宝が2020年1月に出資し、筆頭株主となっていた。若手クリエイターの育成を目的としていたが、今回は自社配給作品のアニメーション制作を担当する。
『君の名は。』、『名探偵コナン』、『僕のヒーローアカデミア』、『PSYCHO-PASS サイコパス』など多くのアニメに出資・製作をしてきた東宝だが、これまでは自ら制作スタジオを持つことはなかった。アニメビジネスの開発に積極的な東宝の新たな戦略転換になるのか、業界からの関心も集めそうだ。
近年、アニメビジネスの盛り上がりに、TBSや朝日放送、KADOKAWAなど大手エンタテイメント企業がアニメーション制作会社をグループ会社化することが増えている。TIAの劇場アニメ制作起用もそうしたひとつとなりそうだ。
『100日間生きたワニ』
https://100wani-movie.com/