バンダイナムコと集英社、鳥山明「SAND LAND」発信で世界プロジェクト 第1弾はアニメ制作

SAND LAND

 エンタメ大手のバンダイナムコグループと集英社が、『ドラゴンボール』でお馴染みの鳥山明が2000年に描いたマンガ『SAND LAND』に関するプロジェクトに乗り出す。2022年12月19日、バンダイナムコエンターテインメントとバンダイナムコフィルムワークスは、集英社と「SAND LAND project」をスタートすると発表した。
 プロジェクトの第1弾ではアニメーション制作のサンライズスタジオが中心となり、アニメを制作する。映像公開に合わせてプロモーションやイベントなどを多方面に展開する。さらにプロジェクトではいろいろなパートナーやクリエイターと様々な方法で作品やキャラクターの魅力を発信する。

 鳥山明は1980年の連載デビュー作『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』などで知られる漫画家だ。特に『ドラゴンボール』はマンガ・アニメとも世界的に大ヒットとなり、鳥山を世界的なマンガ家に押し上げた。一方で『Dr.スランプ』と『ドラゴンボール』以外の執筆マンガ作品は数が少ない。そのなかで2000年に全14話で短期集中連載された『SAND LAND』は数少ない鳥山作品だ。
 『SAND LAND』は魔物と人間が住む水不足の世界に住む悪魔の王子と保安官の「幻の泉」を探す旅が描かれる。鳥山らしい達者な絵とテンポのよいギャグとストーリー展開が特徴だ。

 今回はそんな鳥山の20年以上の傑作に、バンダイナムコグループと集英社が目をつけた。通常であればテレビアニメ化や映画化がメディア展開の常道だが、これまでと少し違った取り組みとなっている。プロジェクトのパートナーはアニメ製作のバンダイナムコフィルムワークスだけでなくゲームが中心のバンダイナムコエンターテインメントの両方が加わっている。また集英社も通常のアニメ作品よりもプロジェクトの関与が大きそうだ。アニメ以外でのプロジェクトや仕掛けもありそうだ。
 さらに第1弾の映像となるアニメの制作メンバーも注目される。バンダイナムコグループの主力スタジオであるサンライズ以外に神風動画、アニマが加わっている。いずれもセルルックのCGを得意にするスタジオで制作にあたってはCGがベースになる可能性が高い。
 神風動画はゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズのオープニングなどにたびたび参加しており、鳥山明のキャラクターの映像化には馴染みが深い。アニマは『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル』のライブシーンなどで知られるが、2022年10月にバンダイナムコフィルムワークスから出資を受け入れたばかりだ。

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