「約束のネバーランド」米国実写ドラマ化、Amazonプライムで独占配信

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■監督は『スパイダーマン:スパイダーバース』のロドニー・ロスマン
 日本マンガの有力作品がまたひとつ米国で実写ドラマ化されることが決定した。映像配信プラットフォームの世界大手Amazonプライムビデオが、「週刊少年ジャンプ」で連載中の人気作『約束のネバーランド』(原作・白井カイウ/作画・出水ぽすか)のハリウッド実写ドラマ版を独占配信することが明らかになった。
 制作は20世紀スタジオ(FOX21)が担当、監督は『スパイダーマン:スパイダーバース』のロドニー・ロスマンを起用。大物監督の起用がファンを沸かせそうだ。
 またプロデュースは、ドラマ「HEROES」シリーズのヒロ・ナカムラ役でお馴染みのマシ・オカ。マシ・オカは近年プロデュース分野の活動が多くなっている。Netflixで好評を博したハリウッド実写版『Death Note』でもプロデューサーを務めた。今回も日本の人気マンガを題材に手腕を発揮しそうだ。

■アニメ化もされた人気マンガ
 『約束のネバーランド』は、2016年に「週刊少年ジャンプ」で連載を開始。原作の白井カイウは本作が雑誌連載第1作、作画の出水ぽすかも連載開始時は20代とフレッシュなコンビが生み出すファンタジックSF。
 孤児院で育てられた主人公エマらの子どもたちが、その裏に隠された真実を知ることで過酷な運命に巻き込まれていく。重厚なドラマやサスペンス、アクションシーンも盛りだくさんとなっている。原作の累計発行部数は全世界で2100万部を超える。
 CloverWorksのアニメーション制作で2019年1月からテレビアニメ化され、フジテレビ「ノイタミナ」枠で放送されてこちらも人気を博した。第2期製作も決まっている。さらに2020年12月に国内での実写映画公開も予定。現在、波に乗った作品だ。

■米国で相次ぐ日本アニメの実写ドラマ化企画
 2000年代より日本のマンガ、アニメ、ゲームは米国で実写映画の原作として注目をされてきた。『攻殻機動隊』、『ドラゴンボール』、『銃夢』などが次々と大型スクリーンに登場している。
 近年、さらに注目されているのがドラマである。実写映画は予算が大きくなりがちなことから、企画が立ち上がって実現しないことも少なくない。より予算が少ないドラマは資金面でのハードルがさがる。さらにシーズンを分けることで、人気が出たらロングシリーズという選択が可能になる。また急激に成長する定額課金の映像配信プラットフォームが実写ドラマに積極的で、ニーズが増している事情もある。
 すでに配信されているNetflixの『Death Note』のほか、『カウボーイ・ビバップ』や『ワンピース』、『ソードアート・オンラン』の実写ドラマ企画がこれまでに発表されている。こうした企画にはこれまでNetflixの名前が挙がることが多かったが、『約束のネバーランド』ではもうひとつの巨人Amazonプライムビデオが挑む。配信時期は明らかになっていないが、今後の日本コンテンツと海外プラットフォームの行方を占ううえでも注目される。

実写ドラマ『約束のネバーランド』
監督: ロドニー・ロスマン
プロデューサー: マシ・オカ
脚本: メガン・マロイ
制作スタジオ: FOX21〔20世紀スタジオ〕
配信: Amazon Prime Video

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