近年、日本マンガの人気が世界中でますます拡大している。そのなかでも大きな存在感を示しているのが、『ONE PIECE』、『NARUTO』、『鬼滅の刃』などの集英社が「ジャンプ」ブランドで展開する数々の作品だ。
集英社はこの「ジャンプ」ブランドをベースにした新しいマンガプラットフォーム事業に乗り出した。2024年5月29日からサービスを開始した「ジャンプTOON」である。マンガのコマをスマートフォンやタブレットに対応した縦スクロールで閲覧する「タテヨミマンガ」専門のアプリだ。
タテヨミマンガは韓国で人気を博し、そこから世界中に広がった新しいマンガスタイルで、現在は日本や中国をはじめアジア、ヨーロッパ、北米などにも広く展開している。「Webtoon」と呼ばれ、そこからのヒット作がドラマ化、アニメ化される作品も多い。新たなエンタテイメントのかたち、アイディアの源としても期待が高いが、日本も含めてグローバルでは韓国発のプラットフォームが存在感を発揮している。
一方の集英社の現在の中心は、日本でお馴染みの右開きマンガだ。この分野は市場が大きいだけでなく、集英社作品が世界的に圧倒的なシェアを占めている。そうしたなかで敢えて国内外でのライバルが多いタテヨミへの本格進出となる。この分野でもマーケットを取りに行くとの集英社の意思表明は、国内だけでなく海外からも注目を集めるだろう。
スタートにあたっては、独自作品と人気マンガのふたつの展開となる。まずは「ジャンプTOON」オリジナルのタテヨミマンガである。『盾の勇者の成り上がり』のアネコユサギが原作を担当する『鎧の令嬢の返り咲き』や斜線堂有紀が原作の『きみのためのエデン』といった作品だ。
オリジナル作品の新たな才能発掘にも取り組む。「ジャンプTOON」創刊にあわせてマンガ投稿サービス「ジャンプTOON NEXT!」正式スタートした。
もうひとつはすでに人気のマンガを、カラー化し、さらにコマを縦読みに組み替える。『ハイキュー!!』、『増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和』、『金魚妻』などがタテカラー版などが登場する。
サービス開始時で28作品、毎日4作品以上を更新と、早いスピード展開で、ファンの獲得を目指している。ビジネスモデルでは、最初の数話を無料で提供、一定時間たつと無料で作品を読める「待てば無料」を導入している。
「ジャンプTOON」
https://jumptoon.com/