HuluとABEMA、番組ごとの課金システムを導入

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 ここ数年、映像番組の動画配信が急成長を続けてきた。成長を牽引してきたのはNetflixやU-NEXT、Amazon プライムビデオ、Huluなどの定額課金見放題サービスである。とりわけユーザーが在宅することの多かった今春は契約数や視聴時間が大きく伸びている。
 一方でライブエンタテイメントの興行が通常モードに戻るにはまだしばらく時間がかかりそうだ。そうしたなか配信プラットフォーム大手2社が、ライブエンタテイメントも見据えた新しいサービスの導入を相次いでスタートした。番組視聴ごとに、課金をする都度課金(ペイパービュー)である。

 国内大手のひとつHuluを運営するHJホールディングスは、2020年6月10日から会員向けに「Huluストア」を開始した。
 「Huluストア」の都度課金では、劇場公開から間もない映画や海外ドラマの最新シーズンなど見放題では提供していない番組が中心になる。映画では『AI崩壊』、『Diner ダイナー』、『グリーンブック』など、販売金額は1ヵ月レンタルでそれぞれ550円(税込)。7月3日からはグローバルで話題を呼んだ『パラサイト 半地下の家族』もスタート。このほか音楽ライブも含むという。

 ABEMAが6月中旬頃に導入する有料配信の「PayPerView(ペイパービュー)」機能になる。こちらも番組の課金になる。ABEMAのサービスは他のプラットフォーウと違い、コマーシャル付きの無料配信が中心となっている。ライブ中継の番組も少なくなく、そうした番組の延長ともいえる。
 またABEMAはHuluよりも、ライブ志向が強そうだ。プログラムは、アーティストライブやイベント、舞台、スポーツ興行、ファッションショーなど、さらにCGやARを活用したオンラインライブもラインナップに挙げている。
 実際にABEMAは、サービス導入にあたり新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたライブや演劇の興行中止・延期の対策を理由にあげている。無観客ライブの流れを視野にいれ、そうしたニーズの受け皿も視野にいれている。
 さらにオンラインならではのシステムも導入する。ライブにあわせたグッズの販売や、イベントをさまざまなアングルから視聴できる「マルチアングルライブ」機能、リアルタイム投票機能の導入も予定している。また、海外から視聴購入も可能というのもポイントだ。

 都度課金の導入は、ユーザーの視聴作品の選択の方法が増えるだけでなく、運営者にとっては収入の拡大も期待できるはずだ。
 また現在は困難が多いライブイベントへの対応は、エンタメの新たな課金システムを提供することになりそうだ。

Huluストア https://www.hulu.jp/store
ABEMA  https://abema.tv/

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